スタッフの現場日記

[久しぶりに花火を見に行こう]
リビングには、ほかにも様々な工夫が凝らされている。

少し低めのテレビ台は、ソファに座ったときに見やすい絶妙な高さ。

リビングから2階へつながる階段の下から5段目までは、

椅子代わりに腰掛けられるように踏み板を少し広くした。

ここに座るとソファやダイニングに座る家族とちょうど目が合う。

すべては、家族の暮らしを考えたちょっとした工夫の積み重ねだ。

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新しい家には、明るい声が響き渡っている。

「久しぶりに花火を見に行きたいな」お義母さんがそう言うと、

娘さんが「行こう行こう!」と応えた。その様子に小林さんは

目を細めて、「この家に住み始めてから、また家族で出かける

ことが多くなりました」と語る。
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介護の問題は誰にでも起こりえること。

家族に負担をかけないようにと、施設に入るお年寄りも多い。

けれども、本当は一緒に暮らし続けたいと思ってる人も多い

はずだ。小林さんの家づくりは、そんな家族の想いを叶える

とつのカタチを教えてくれている。

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お義母さんが暮らしやすい家は、家族にとっても心地いい家になった。

特に、薪ストーブのあるリビングは家族みんなのお気に入りだ。

「薪ストーブは火を使うので、建てる前は大丈夫かなと思っていました」

ゆらめく炎を囲む暮らしには憧れたが、薪の調達などすべてを

自分でやるとなると不安もあったという。小林さんは、夢ハウスの

スタッフだけではなく実際に暮らしているお客様の話を聞いて、

薪ストーブを入れようと決めたそうだ。

「モデルハウスに行くと、実際に夢ハウスの家に住んでいる人が

遊びに来ていることがよくあるんです。その人たちに住んでみて

どうなのかを聞いてみると、スタッフが言うのと同じことを話してくれました。

これは大丈夫だなと安心できました(笑)薪は夢ハウスが届けてくれるんですよ」


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キッチンまわりも収納など、使い勝手に配慮されている。
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小屋裏スペースはご主人の趣味部屋として活用されている。
小林さんは、夢ハウスの第一印象を「イメージにぴったりでした」と語る。
廊下がなく、ひとつの広い空間になった1階には車椅子の動きを妨げる
ものがない。

真冬なのに、薪ストーブひとつで家中暖かい。
無垢の床は裸足でもひんやりしない。ぽかぽかと暖かく
広い部屋をお義母さんが自由に動き回る様子が目に浮かんだ。

「この家がいい」すぐに、家族みんなの意見が一致して、
プランづくりが始まった。とはいえ、やはり不安もあった。
広い空間車椅子の生活に適しているが、実際にお義母さんが
使いやすい家にするためには、ほかにも様々な配慮が必要だからだ。

それまでの住宅会社巡りの中で、車椅子の人と暮らしたことがない
人にとって、それがどれほど難しいのかは身に染みていた。
だが、家づくりが進むにつれて、その不安もどんどん解消されていった。
担当スタッフらが、とてもきめ細やかな提案をしてくれたのだ。


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①以前は車椅子での出入りが不便だったが、スロープを付けたので気軽に外出できる。
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②車椅子での食事に配慮して特別な高さで
取り付けたキッチンカウンター。
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③車椅子の脚部が当たらないように洗面台の側板は大工さんが加工してくれた。
「どの会社も車椅子で暮らせるというんですけどね、
すべて図面上の話しで、実際には暮らせない提案ばかりだったんですよ」
住宅会社を探していた当時のことを、小林さんは苦笑いしながら振り返ってくれた。

廊下ひとつ取っても、住宅会社の言うことは納得がいかないことばかりだった
のだという。一般的な廊下は幅85cmで、多くの会社はそれで問題ないと
言ったそうだ。確かに幅60cm程度の車椅子が通るのに問題はない。
車椅子の人と暮らしたことがなければ、それで十分だと思うのも
無理はないだろう。

だが、小林さんは「それでは車椅子の脇を人が通れないんです」
と指摘する。車椅子の人にとっては、85cmの廊下は、
自分が通るために誰かに道を開けてもらわなければならない場所に
なってしまうのだ。とても気兼ねなく暮らすとはいかない。

「直角に曲がるところでも、幅が60cmあれば曲がれると言われ
ましたが、曲がれるはずがありません。体の不自由な義母が
操作しているんですよ、そんな簡単ではありません」

同じように、キッチンやトイレも車椅子で入れればいいという
わけではない。実際に使ってみてゆとりがあるか、使い勝手が
いいかが重要だった。それをわかってくれる住宅会社を、
小林さんは探し続けた。そして夢ハウスに出会った。
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大黒柱がそびえる広々としたリビングを3匹の犬が走り回る。
薪ストーブのある暖かな部屋に、吹き抜けから明るい光が降り注ぐ。

「みんなが集まる、広くて居心地のいい部屋がひとつほしかった」
という小林さんの希望通りの空間だ。ご夫婦と娘さん、そして
車椅子のお義母さんも、家にいる時間のほとんどをここで過ごしている。

車椅子のお義母さんの暮らしーそれが、家づくりにおいて、小林さんが
最も心を砕いたところだ。車椅子のお義母さんは、人の手を借りなければ
外出することができない。

建て替える前の家は1階ガレージになった豪雪地帯ならではの
高床式の家でデイサービスに出かけるにも家族や送迎スタッフの手が必要だった。

もちろん周囲の人たちは快く手を貸してくれるが、いつも申し訳なさ
そうにしているお義母の顔が、小林さんたち家族は気になって仕方がなかった。

「前の家は築20年ほどで、どうしても建て替えなければならなかった
わけではありません。でも、いつかは自分たちも介護が必要な身になります。
だったら今、お義母さんが気兼ねなく暮らせる家をつくろうと決めたんです」
こうして、小林さんの家づくりが始まった。

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