お義母さんに気兼ねなく暮らしてほしい。ー10家族のものがたり

大黒柱がそびえる広々としたリビングを3匹の犬が走り回る。
薪ストーブのある暖かな部屋に、吹き抜けから明るい光が降り注ぐ。

「みんなが集まる、広くて居心地のいい部屋がひとつほしかった」
という小林さんの希望通りの空間だ。ご夫婦と娘さん、そして
車椅子のお義母さんも、家にいる時間のほとんどをここで過ごしている。

車椅子のお義母さんの暮らしーそれが、家づくりにおいて、小林さんが
最も心を砕いたところだ。車椅子のお義母さんは、人の手を借りなければ
外出することができない。

建て替える前の家は1階ガレージになった豪雪地帯ならではの
高床式の家でデイサービスに出かけるにも家族や送迎スタッフの手が必要だった。

もちろん周囲の人たちは快く手を貸してくれるが、いつも申し訳なさ
そうにしているお義母の顔が、小林さんたち家族は気になって仕方がなかった。

「前の家は築20年ほどで、どうしても建て替えなければならなかった
わけではありません。でも、いつかは自分たちも介護が必要な身になります。
だったら今、お義母さんが気兼ねなく暮らせる家をつくろうと決めたんです」
こうして、小林さんの家づくりが始まった。

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