日記 

熱伝導率は0.063kcal/mh℃で、非常に熱を伝えにくい性質があります。

これは材内に空気を多量に含んでいるためです。
(例:タモ⇒約0.1kcal/mh℃・ケヤキ⇒0.123kcal/mh℃)

発火点はおおよそ425℃といわれ(杉は約240℃)、非常にもえにくいため「金庫の内壁」などにもよく用いられてます。

調湿作用も高く、乾燥後の寸法変化も少ない為「桐たんす」などに用いられ高級品として扱われています。

また、多孔質であるため大変音響性に優れています。

古代より琴等の楽器に使用されてきました。

桐材は柔らかいので、非常に肌触りも良いのですが重い物をぶつけてしまうと傷や凹みができやすい性質があります。

しかし多孔質のため、水を含ませアイロンを充てると、少しの傷は修復してしまうほど復元力のある素材でもあります。


御前崎/桐の寝室

多孔質であるということは、空気をたくさん含んでおり、調湿効果、保温効果も非常に高く、
冬場の温度差による結露を抑え、カビの発生を防ぐことにもつながります。

天然素材と工業製品の違いは、そういった健康面でも大きな違いがでてきます。

温度実験

桐の調湿・抗菌実験

桐の抗菌作用の実験方法

ビニールクロスとカラーフロア(新建材)でつくった箱と、桐で覆った箱を用意して、

バナナと食パンを置いてどう変化していくか観察


間取りコラム

へその緒を入れる箱も桐箱であり、亡くなった時の棺桶も桐材が使われています。

また日本国章は「菊」ですが、日本政府、内閣府、内閣総理大臣の紋章が「桐(五七の桐)」になっています。

「桐紋」はいままでは一般的な家族の種類ですが、元は天皇気だけの紋章でした。

そのために「皇室の人間ではない一般人でも使える高貴な紋」として有名な
豊臣秀吉の太閤桐をはじめ、古くから使われているものです。




調湿機能
(ちょうしつこうか)

空気の湿度に応じて、細胞中の水分を発散したり、細胞に水分を取り込む調整機能。






ヒノキチオールは殺菌力が高く、木材利用だけでなく抽出成分は様々な分野に使われています。

身近な物にも使われており、歯磨き粉など人が口に入れる物にも使われ少量であれば人体に影響はありません。

この成分があることにより、米ヒバは虫害に強く、更にしっかりと乾燥させることにより土台には最適な樹種になります。

ヒノキチオールという名前なのでヒノキにもあるのでは?
という疑問が出てきますが日本のヒノキにはほとんど含まれていないことが解っています。

ではなぜヒノキチオールと呼ぶのでしょうか?
ヒノキチオールは最初タイワンヒノキから発見され命名されました。

そのためヒノキチオールという名がついてしまいました。

「タイワンヒノキ」「ヒバ」「ベイヒバ」はヒノキ科の同じ分類となります。

タイワンヒノキは、檜に近いことや、大径長尺でありながら直材が多いということで、
1900年頃から日本に大量に入荷し寺社仏閣などの文化財の補修や再建などに多く使用されました。

代表例を挙げると明治神宮の大鳥居は樹齢1700年の台檜で、奈良・法隆寺の改修再建にも活用されました。

そのタイワンヒノキは現在は採取禁止となり輸入することは困難となっています。


天然ヒバ材

米ヒバとは?

ヒノキ科のヒノキ属常緑針葉樹です。

国内でも有名な青森ヒバは呼び方違いで、同じヒノキ科アスナロ属です。

国内ヒバは別名「あすなろ」とも呼ばれ、由来は「明日は檜になろう」でアスナロという説があります。

青森県では「ヒバ」、秋田県では「ツガルヒノキ」、岩手・山形県では「クマサキ」、
新潟県佐渡島では「アテビ」などとも呼ばれています。

米ヒバは、樹種名をイエローシダーと呼び、北米大陸(アメリカ・カナダ)の西武(ロッキー山脈付近)に広く分布し、山の海抜1000m位の山頂付近に生息しています。

樹齢は300年~500年、物によっては1000年の樹齢を越す材もあります。

非常に目細で硬く、ヒノキチオールという成分を多量に含んでいます。

抗菌作用のヒノキチオールを含むヒバ材

芯が入り、大きな流れ節となって出ていきます。

生き節の場合はまだ見た目の話ですが、死節になっていると乾燥材に節がめくれてしまったり、
削った際に節が飛んでいきます。

また、芯が残っていることにより、乾燥によるねじれも起こりやすいのです。

なぜ流れ節が出るのでしょうか?

丸太の大きさが不十分だと、どうしても芯を通る製材の割り方となります。

Aの場合は、枝と挽目が平行になってしまいます。

この場合に、材表面に流れ節として出てきます。

B・Cの位置であれば、枝に対して垂直に切るので枝を輪切りにする形になり、
通常の丸い節になります。

この様に、大径木で流れ節を出さないように製材することは非常に難しく、
大きな丸太を必要とします。

木材の基礎知識
ラミナと呼ばれる3㎝程の挽板を貼り合わせることで作られますが、
ラミナ1枚は米松と違い、材寸に対して筋も大きく、眼も暖かいです。

これは異等級集成材と呼ばれ、真ん中のラミナは強度が弱くてもOK。

隣側の材だけを良品として、中間部は間伐材などを利用し作られることもあります。

木材は「体積×金額」で計算されます。

そもそも、原木・原料の価値が違う欧州赤松集成と米松無垢材物が同じ物と考えて
比較することは出来ません。

ですが実験は、こういった集成材が安価なために、非常に多く使われているのが現状です。

集成材