日記 

木材の上下

木は育った環境で使われるものが最も良いとされています。

「上を末」「下を元」と呼び、柱などに使う際は、この上下を守って使用します。

また丸太の断面寸法を検知する際は、末口寸法で表示します。

丸太であればこの「末と元」を見れば上下が解りますが、角材の場合はどう見分けるのでしょうか?

角材の場合は「赤太と白太」の割合(白太が多い方が末・赤太が多い方が元)。

また、両木口を見ると年齢の数が多いことなどからも解りますし、

節を見た場合、目の詰まっている方が上、目が伸びている方が下という見分けもできます。

木材に関しての基礎知識

木が立っている状態での先端側。
柱や束などで「元」をうえにして使うことは「逆木」と呼ばれ、
立ち木と同じ状態にして使用することで、木に無理がなく丈夫で長持ちします。

木が立っている状態での根本側。
柱や束などで「元」をうえにして使うことは「逆木」と呼ばれ、
立ち木と同じ状態にしてしようすることで、木に無理がなく丈夫で長持ちします。





木材の等級

木材の価値は挽き方によっても変りますが、一番大きな原因は『節の有無』です。

節のない木、面を『無節』と呼び、最も高価な材とされています。

また、丸太の大きさによっても辺材(白太)と芯材(赤太)が有り、

同じ節の状態であれば、白太の多い木よりも、赤太の多い材の方が高価とされています。


白太は樹皮に近く、水分や養分(タンパク質)を多く含んでいるので、

シロアリや腐朽菌の被害を受けやすく赤太は白太に比べて古い細胞のため、

虫害や腐朽菌に強い性質があります。


木材に関しての基礎知識



木材腐朽菌(もくざいふきゅうきん)
リグニン・セルロース・ヘミセルロースを分解し、木材組織を破壊、強度を弱める。
繁殖条件としては、湿度85%以上、温度20~30℃の高温多湿。(木材含水率20%以上)



木材の等級

生節化粧用一等(特一材)(いきぶしけしょうよういっとう)
大小の節がたくさんあり、強度的に全く問題無い程度の若干の死節やハチクライ(虫食い穴)等も混入しています。


小節(こぶし)
直径約25㎜以下程の節が1m間隔に一個ぐらいずつ点在しているイメージです。

上小節(じょうこぶし)
直径約10㎜以下程の節が1m間隔に一個ぐらいずつ点在しているイメージです。


無節(むじ)
節のまったく無い物です。
木目もや色合いもかなり揃い、アテもほぼ入っていません。



【「柱材」の化粧面の取り方参考例】


木材に関しての基礎知識

三面が化粧面となる場合。無節だと「三無」。
一面が無節で、二面が上小だと「一無二上」。

木材に関しての基礎知識

一面と一面下半部が化粧面となる場合。
一面が無節で一面下半分が上小だと「一無下一上」。

木材に関しての基礎知識-源平

角両面部分(チリと呼びます)が化粧部分となる場合。

木材に関しての基礎知識

一面と、その両角(チリ)が化粧部分となる場合。


【赤材・白太材・源平材の見方】

木材に関しての基礎知識-白
白・・・ 化粧面が白太の材
白太部分は、木の表面を守っている外周部分なだけに、
無節の美しい白材は、あまり多く採取できず希少品として珍重されます。 
ゆえに、あまり見かけない個性的な美しさを求めて、白材のみをオーダーされる方もいます。

木材に関しての基礎知識-源平
源平・・ 化粧面に白太と赤太が両方
杉と桧では、白太と赤みの部分の色合いの違いは、杉の方が比較的ハッキリ出ます。
ゆえに杉材では、源平材を視覚効果として、意図的に選んで使用される事があります。

木材に関しての基礎知識
赤・・・ 化粧面が赤身だけの材
木の部分で一番耐朽性が高く、色合いも美しいので、高級材として扱われます。 
木の性質上、節が出やすい芯に近い部分から採取されるため、
無節の物は希少価値の高い最高級品として重宝されます。






節には生節と死節があります。

枝が生きたまま包み込まれたのが「生節」で、

枝が枯れてから包こまれた「死節」といい表面に出てきた際は抜け落ちてくることがあります。

抜け落ちたものは「抜節」と呼ばれ穴になるため、材料としては欠点として扱われます。


節は枝が幹の成長に伴い、巻き込まれたもので、

樹芯から直角方向に伸び製材した際に節が出る位置は、枝打ちの時期により異なります。

枝打ちをせずに枯枝として放置しておくと、製材したときに死節として製材面に出てきます。

枝が生きているうちに枝打ちを行うと、生節となって現れます。

木材に関しての基礎知識
生節
木材に関しての基礎知識
死節




死節(しにぶし)
まわりの木材質とつながっておらず、養分がいかなかったので、抜け落ちてしまう節

生節(いきぶし)
養分が通って、周囲の木材質と一体化していた節で、削れば艶がでる。また、節の文様も美しい。




木表と木裏

樹皮に近い側を「木表」と呼びます。

柾目材は木表・木裏がほとんどないため、割れにくく狂いにくいと言われています。

板目材は乾燥すると異方性収縮のため、木表側へ反る傾向があります。

床板を貼る際には、木裏を表面に使うと、木目が剥がされたりささくれてきます。

このため、表面には木表を使うのが原則です。


木材に関しての基礎知識


木裏(きうら)
樹芯に近い側で、木表側が縮み木裏に反りが生じるとトゲが刺さりやすくなるため、
人の肌に触れる側を木表にするのが常識です。

木表(きおもて)
樹皮に近い側を「木表」といいます。
製材後は木表側が先に縮む。




板目 と柾目

木取り(製材)の仕方によって、表面の年齢が「柾目」や「板目」になって現れます。

年齢に対して直角に挽いた面を「柾目」、年輪に接する方面に挽いた面を「板目」と言います。



木材に関しての基礎知識
板目

木材に関しての基礎知識
柾目

木材に関しての基礎知識

家づくり用語集


■ 板目 (いため)
 丸太の中心からずれて挽くと、年輪が平行ではなく山形や筍形の木目が現れ、これを板目と言う。


■ 柾目 (まさめ)
丸太の中心に向かって挽いたときに現れる年輪が平行な木目を柾目と言う。

板目と比べ歩留まりが悪くコスト高になるが、反りや収縮などの狂いが少ない。