日記 

最新の構法ほど、 いいんでしょ?


【違います】

どんなに素晴らしい工法も、外壁の内側にある「柱や下地材」には「室内平衡含水率」の木材を使うべきです!

しかし、一般的な工務店は「屋外平衡含水率」の木材を使っています!?


外断熱工法にも、こんな不安が!?

さて最近、「外断熱」という工法があちこちで宣伝され、着工棟数を伸ばしています。

これは、構造躯体の外側に堅い断熱材を貼って、気密テープなどで隙間風が一切入らないようにするものです。

しかし、断熱材とテープでどんなに外気を遮断しても、その内側にある軸組などの木材が「屋外平衡含水率」であれば、施工後に含水率はどんどん下がって収縮と変形を始めます。

しかも、外の冷気が壁内に入り込めば、内部結露を起こしてしまいます!?


大丈夫なの!?
国が認めた「平衡含水率」。

では、どうして一般的な工務店は「屋外平衡含水率」の木材をつかうのでしょう?

「ズバリ!国がみとめているからです!?」

「JAS制度」をご存知でしょうか?

「農林物質の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(JAS法)」に基いて、農林水産大臣が制定した「日本農林規格(JAS規格)」の検査に合格すると、製品にJASマーク付けることが出来ます。

つまり、国の検査基準をちゃんとパスし、農林水産大臣も認めています、という印です。

「十分講座」

JAS規約の
基準で
安全なの?

JAS規約では含水率15~20%でも「仕上げ材」として認めています。

これを室内に使ったら、収縮や変形を起こすのは当たり前。

しかも構造材は15%を、フローリングは13%を「最良材」と位置付けています!?

さらに驚くべきは、日本の様々な工事共通仕様書に定義されている含水率ですら、JAS規格通りか、それよりも緩くなっているのです!?

また、JASの含水率表示も当てになりません。

それというのも、明確な計測方法が指示されていないからです。

木材は同じ産地でも1本づつ含水率は違いますし、さらに1本の中でも計る場所によって変わるのです。

ですから、一番低い含水率を表示しているかもしれないし、何か所かを計った平均値かもしれません。

このあたりがJASのあいまいなところです。



「平衡(へいこう)含水率」って知っていますか?

木材を
乾かすと、

収縮や変形が始まります。

しかし、しばらく放置すると収縮や変形が極端に少なくなり、大気の湿度と均衡した状態になります。

そのような水分状態を「平衡含水率」と言います。

また当然ですが、湿度の高い屋外と、低い室内ではそれぞれ平衡含水率が異なります。


「屋外平衡含水率」とは?

外気にさらされる場所では、木材は含水率30%を下回るころから収縮と変形を始めます。

そして15%~20%くらいまで下がると、それ以上乾かなくなります。

この状態の数値が「屋外平衡含水率」。

含水率が落ち着けば収縮と変形は起きません。

つまり、外気に触れる場所の木材をあらかじめ含水率にしておけば、施工後に木材が暴れる心配がないのです。


「十分講座」

「室内平衡含水率」とは?

では、室内はどうでしょう。


やはり屋外と同様に、含水率30%を下回るころから収縮と変形を始めます。

しかし、室内では5~10%まで下がらないと木材が落ち着きません。

冷暖房器具や断熱性能が発達した現代では、室内の湿度が昔より低くなりました。

そのため木材があばれないためには、含水率5%以下が要求されます。


一般の工務店やメーカーで使用されている
「人工乾燥材(KD材)」では?

人工乾燥材(KD材)の含水率は「屋外平衡含水率」が規準です。

「SD15(含水率15%以下)」「SD20(含水率20%以下)」の木材が出回っていますが、実はこれが当然のように「室内」で使われているのです!?

「屋外平衡含水率」の木材を室内に使用すれば、もちろん室内の湿度に伴って含水率も下がってきます。

そうすると、屋外では見られなかった収縮や変形が発生するのです!?






平衡含水率
(へいこうがんすいりつ)

木材を一定の温度の大気中においておくと、ある時点で水分が出入りしなくなる安定した状態


kD材
(けーでぃざい)

人口乾燥材


繊維飽和点
(せんいほうわてん)

自由水がなくなる繊維飽和点(約含水率30%)に達すると、木材の収縮や狂いが始まります。
つまり含水率が20~30%程度の木材乾燥では、意味がないのです。


全乾状態 
(ぜんかんじょうたい)

結合水がほとんど無くなる状態で、強制的に乾燥させた場合の状態です。


生材状態
(なまざいじょうたい)

含水率50%以上のことをさします。

木材は、細胞壁と自由水が含まれる空隙部分で成り立っています。

木材は乾燥していくとまず自由水が失われていきますが、この間木材は収縮を起こしません。








乾燥させないとこわ~い現象が

「建て付け不良」!?
サッシや建具をとめている木材が収縮・変形し、建具などの枠材に影響。
戸が開かなくなったりします。

「床の凹凸」!?
床が収縮・変形をおこし、床に凹凸が発生。つまづきやすくなって危険です。

「床鳴り」!?
床が収縮・変形したのに、それをとめているビスやボンドに抑えつけられるため、あちこちで床鳴りやきしみが起きます。

「床や壁からすきま風」!?
骨組みや床材が収縮・変形すると隙間ができます。
冬は冷たい空気が入り込み、部屋が温まりません。

「十分講座」

一番怖いのは、
「内部結露」!

さて、全ページのように目に見える部分なら、補修や修繕も比較的簡単です。

しかし、最もこわいのは壁の中に起こる「内部結露」。

乾燥が不十分な木材だと、室内の暖気と屋外の冷気が壁の中で混ざり合って結露を起こします。

結露からは恐ろしい連鎖が発生。

結露→カビの発生→木を腐らせる「腐朽菌」を呼ぶ→土台や柱が腐り、断熱材は水分によって縮んだまま戻らない→室内は温まらず、人によってはアレルギーも起こしてしまいます。

壁の中で起きた結露からカビが大量発生。
さらに木を腐らせる腐朽菌も!?
グラスウールなど綿状の断熱材は湿気を含んで縮んでしまうと、乾いても二度と元に戻りません。
もちろん断熱性能も下がります。

腐朽菌によって家の骨組みが腐ると、住宅が倒壊する危険にさらされます!



内部結露
乾燥が不十分な木材のために、室内の暖気と屋外の冷気が壁の中で混ざり合って結露をおこすこと。
結露が原因となって、結露→カビの発生→木を腐らせる「腐朽菌」を呼ぶ→土台や柱が腐り、
断熱材は水分によって縮んだまま戻らなくなる→室内はあたたまらなくなる、といった問題を引き起こします。

「十分講座」










結露
(けつろ)
空気中の水分が窓や壁に表出する現象。

隙間から雨がしみこみ腐った木材

木の収縮による"壁の隙間"は欠陥住宅





天然無垢材なら、安心だよね?

【違います】

天然無垢材もピンからキリまで。その決め手は「乾燥」です!


天然無垢材は、
「乾燥度の違い」から3種類。

「森と自然の会」が推奨する乾燥材は構造材で「含水率5%以下」と乾燥の基準を設けています。
一般的な3種類の無垢材とは大きな違いがあります。


天然無垢材には、十分な乾燥が必要です。

昔から木造で家を建てる時、大工さんは何年間も材料を干して使っていました。

木は乾燥すると収縮やねじれ、反りなどの変形を起こすので、本来なら十分に乾燥した材料でないと使えないのです。

しかし、十分に乾燥した材料なら何でも良い訳ではありません。

乾燥した木材なら何でも良い訳ではありません。

乾燥していない「グリン材」はもちろん、最近のように高気密・高断熱使用の住宅を短期間で建て、しかも冷暖房が発達した住宅では、昔ながらの乾燥方法である「AD材」にも限界があるようです。

「十分講座」


「含水率」って何ですか?

上の図は、木材に含まれる水分の率を表したもの。

木は植物ですから、伐採前は地面から吸い上げた水を幹に通し、枝葉に送っています。

そのため、大量に水分を蓄えており、伐採後もなかなか抜けません。

また、水分が高いまま建材として使う乾燥するに連れて収縮や変形生じ、家が建った後にあらゆる弊害が起こります。

そのため水分量を「含水率」として算出し、一定の基準を設けて品質の目安としています。






含水率
木に含まれる水分をパーセンテージで表す。
数式で表すと、(全体の重量ー完全に乾燥した時の重量)÷完全に乾燥した時の重量×100で、
例えば全体で100g、そのうち水分が50gのとき、(100-50)÷50×100=100%になります。




間取りコラム

集成材は不安がいっぱい!

「集成材」は、

健康、耐久性、環境の面から見て、どれに対しても難点があります。

しかし、はく離や健康を害する報告があっても当たり前のように普及しており、事件への対応もずさんです。

国が危険を考慮して改善する法律ができるまで、相当な時間がかかることでしょう。


「健康に害がある」

レゾルシノール系接着剤に含まれるホルムアルデヒドは、「シックハウス症候群」を引き起こす原因のひとつ。

家に長時間いる主婦や抵抗力の弱い子ども、お年寄りに発生率がたかいとされ、眼やのどの痛み、めまい、吐き気、頭痛、皮膚疾患といった初期症状から進み、神経障害、化学物質過敏症などに至ります。
特に、有害物質を受け入れる許容量が小さな乳幼児への影響は深刻です。


「シックハウス法」とは?

新築やリフォームに使用された建材に含まれる有害物質を吸収することで起きる「シックハウス症候群」。

その被害と社会的影響が深刻となり、03年に「シックハウス防止」を目的に建築基準法が改正され、新にF☆☆☆☆(フォースター)建材の基準と、その使用制限や機械による24時間計画換気の義務化が図られました。

国では、「その空気を一生吸いつ図気ても健康への影響がない」とする安全値を定めています。

WHOでも発ガン性が指摘されるホルムアルデヒドの指針値は0.08ppmとなっています。

「十分講座」

「耐久性が心配」

繰り返しになりますが、集成材はラミナを接着剤で貼り合わせたもの。

つまり、その耐久性とは「接着剤の耐久性」なのです。

柱や梁という家の骨格を成す材料の要が接着剤とは、何とも心もとないものです。

接着剤は湿気に弱く、また老朽化などからはく離するおそれがあります。


環境にも悪影響

廃材を焼却処分する時、接着剤からはダイオキシンなど有害物質が発生します。

また、天然無垢材と違い、一度濡れるとはく離をおこしやすく、リサイクルが難しい材料です。

(天然無垢材なら古民家や蔵を移築したり、梁や柱を再利用できますよね)

「集成材は、木材を有効に使うから環境にやさしい」というイメージがありますが、実はこのような弊害があるのです。


ちなみに「強度」は?

特別に優れているわけではありません。

一般住宅で例えれば、同じ荷重を支えるのと、半分の大きさで2段にするのとでは強度が変わります。

1段の強度が半分以下になるため、2段にしても1つの材と同じ強度にはなりません。

集成材では、その不足した強度を接着剤で補っているのです。

しっかり乾燥した天然無垢材は、集成材より強度があります。

集成材の方が強度があると宣伝する会社もありますが、未乾燥の天然無垢材との比較ですから当てになりません。



集成材は剥離する