理解してあげることで一層の愛着がわきます。
天然木製品の特性を学ぼう!

天然木の変形・収縮などの性質は抑えることができますが、色味や節などの見た目の特性は、いわば木の個性。
天然木の製品について最初に知っていただきたいことがいくつかあります。
天然木は工業製品と違い、1つ1つの商品や1枚1枚の板に関して色合いが微妙に違っていたり、大きさや形の異なる木目や節があったり、同じモノはひとつとしてありません。
工業製品に比べると均一な模様にならないのが天然木の特徴であり、また良さでもあります。
天然のものですから、見た目がきれいな木もあれば、そうでない木もあります。
でもそれは、それぞれがちゃんと生きてきたという「歴史」なのです。
私たちは、いつまでも皆さまに愛され続ける天然木の商品をつくり続けています。
ここでは天然木とはどんなものかということと、末永くご使用いただく為のお手入れの仕方をご紹介します。

桐に含まれるタンニンについて
調湿効果を促す
桐材は製作直後だと白に近い色をしていますが、年数を重ねるにつれ薄いグレーや茶色に変色していきます。また部分的に淡い紫色になるところもあります。これは桐に含まれる「タンニン」という物質で、このタンニンが桐の防腐効果を促しています。また、桐には防虫効果を促す「パウロニン」「セサミン」という成分も含まれています。タンニンが桐の中に残っていますので、桐の性質は活かしつつ変色も遅らせています。変色が起こりやすいのは引出し内部等で使用する無塗装材ですが、より高い防湿・防腐・防虫効果が期待できます。

赤松の色味と経年劣化
経年とともに、なじみ、暖かさを増す
天然木は自然のもの。たとえ同じ山で育っても色味は全然違うこともあります。赤松の幅はぎ材にしても、隣合う2枚が一方は赤っぽく、もう一方が黄色っぽく見えることもあります。ダイニングテーブルや座卓についても、色味の違いは必ず出てきます。しかし、そこが自然素材の良さであり、天然の木材ならではの木目や質感を味わうことができます。
何年か経過すると経年変化により、色味の違いがわかりにくくなります。木はやがて良い飴色となり、より温かみを増し愛着も湧いてきます。

深部変色について
シミも木の個性
赤松の家具を長年使用している場合、青黒く浮き出てくるシミを見かける事があります。これは深部変色と呼ばれるものです。もともと木に含まれていた水分によってできたシミになります。私たちは特許を取得した自社開発木材乾燥機によって、水分を極限まで抜き出し製品化していますが、使用環境によっては多少発生する場合があります。また、年数が経つと周りの木の色も飴色に変色してきますので、シミも目立たなくなります。商品の機能・性能として全く支障のないものですので、これも天然素材の個性としてご理解ください。

補修について
資源の有効活用
大切な資源を無駄なく利用するため、パテ埋めや埋め木、節埋めを施して製品として出荷しています。
使用中にキズがついたりしても自分で補修できることも天然木の良さです。

天然木は生きている
室内の湿度に合わせて、木(家具)も呼吸する
木(家具)は室内の環境が過乾燥気味になったり、逆に湿度が高くなると、呼吸をしながら、わずかに膨らんだり縮んだりします。木(家具)はどんなに乾燥させた材であっても微量変化します。言い換えれば木(家具)が生きている証なのです。
水分はすぐにふき取りましょう
木(家具)を濡れたままにしておくと、ひび割れやシミ、変色の原因となるのでなるべく早く拭き取ってください。
拭き取りについて
お手入れはゴミやホコリを取り除いてから、固く絞った雑巾やタオル、化学繊維などで拭いて下さい。
※化学雑巾を家具の上に長時間放置すると変色する恐れがあります。
※化学雑巾とは、薬品を染み込ませた布で静電気によって汚れ吸着を行うもの。
※アルコールの含まれたものは塗装が剥がれてしまう恐れがあります。
天然木のメンテナンス方法

湿度を保ってひび割れ防止
天然木は周囲が乾燥していると調湿機能によって自らの水分を放出し湿気を保とうとします。これによって天然木内の水分が減少し、ひび割れを起こしてしまう場合があります。加湿器などで湿気を保つことがひび割れ防止に繋がります。暖房・ヒーターなどの温風はひび割れや退色の原因になりますので直接温風が当たらないようにしましょう。

ヘコミ・キズの復元・修復
天然木は柔らかな素材ですので、キズやヘコミがつきやすいです。
もともと天然素材には復元力があります。
ヘコミやキズはアイロンを使用すると補修することができます。桐の家具に使用する塗料は熱に強い”サンガード”を使用しているのでアイロンを使用しても安心です。
復元・修復方法
ヘコミやキズのある部分に水をつけ、濡れた薄手の生地の上からアイロンを3~4秒あてます。
温度は”中”または”スチーム”にしてください。
高温だと焦げてしまう恐れがあります。
※大きい破損や深いヘコミやキズにはあまり効果がありません。

赤松の黒い斑点
赤松材にはまれに天然樹脂があり、浮き出てくる場合があります。そこへホコリや服の繊維がくっつき黒い斑点のように浮き出ることがあります。
木のカビなどではなく身体に害のあるものでもありませんのでご安心下さい。
乾いた雑巾やタオルでこすることで黒い斑点を除去できる場合があります。