現場ブログ

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写真は以前の南面の広縁から撮影したものです。
お客様の相談を受ける中でよく言われるのは、「一番、日当たりの良い広縁、和室の通し間2室どうにかならない?」昔は自宅で人寄席が合ったのでこんな間取りがほとんどです。今は年に一回使うかどうかの部屋が一番日当たりがよく、採光の入らない寒い台所が北面にあるのが一般的です。
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これから先高齢者になることを考え、2階の寝室を1Fの一番日当たりの良いスペースに間取り変更しました。12.6畳の寝室と4.5畳のウォークインクローゼットになりました。建具を取り付ける前の全面の桐フローリング30mmはこうしてみると見ごたえがあります。無垢の桐のフローリングはとても美しい! 人間のつくった物とは比べ物になりません。本当に自然の恵みに感謝です。
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外壁は発砲ウレタン60mm厚で吹き付けました。透湿性のない高質ウレタンです。
寒い時期ですが、この工事が終わってからの大工さんの内部の工事は暖かくて、「天気の良い日は汗をかくので、一枚服を脱いで仕事をした。」と言っていました。早速、効果が出ています。
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断熱工事が終わると、防水シート施工です。タイベックシルバーは空気層を設けることで遮熱効果もあります。この上に胴縁を打って、サイディング下地が完了です。瓦屋根ですが洋風を希望されているので、外壁の色を白に近いアイボリー系にして、和モダンな仕上がりにしていきます。
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築90年と言うこともあり、外壁部分に接するところは、キッチリ基礎をつくります。
リフォーム前は各部屋の床の段差がありましたが、既存の和室の床の高さに合わせ、全体をバリアフリーに造り替えます。そうすることで、床下の空間が広く取ることが出来ます。当然、床を上げれば天井が低くなりますが、今まで30年以上天井裏に隠れていた太い梁を出して、その上に天井を設け、空間を取ります。太い梁も磨けばインテリアの一つです。古い伝統工法と現代技術の出会いと調和です。

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床をバリアフリーにすることで、基礎が高くなります。当然、石ころ程度の基礎が高くなるので柱を詰めることになります。基礎が高くなることで、換気口をキッチリとることが出来ます。
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昔の家は歩くと床が少しバウンドするような感覚がありますが、床下の構造部材の間隔が遠い為そのような現象になります。全部取り払って、新しく造り直します。
何でもそうですが、下地をしっかりやらないといい仕事は出来ません!
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ところどころの開口部はサッシの入る部分です。サッシも断熱性、防音性を高める為、三協アルミのマディオJと言う商品を使います。複層ガラスで、内部枠は樹脂で出来ている為、ほとんど結露しません。複層ガラスでも外部、内部枠がアルミ商品であれば内部が結露します。アルミは熱伝導率98%なので最も熱を伝える商品ですが、空気層を設けることで96%逆にカットする機能があります。
部屋側に構造用合板を施工して、耐震性もバッチリです。
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0.75坪の浴室を1坪に、通路といっしょになっていた洗面脱衣所を外壁面に接する(既存トイレがあった)部分に移動し、一坪のスペースをとって換気性を高めました。そしてトイレは寝室に一番近いところに設置することで水廻りの動線を改善できます。洗面脱衣場も奥様のキッチンスペースからすぐ近くになったことで家事動線もスムーズになります。
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居間まで2Fが寝室でしたが、将来のことを考え、一番日当たりのよい、南西の広縁と和室2室の通し間を、寝室14畳とウォークインクロゼット6畳に替わります。そして、寝室、クローゼットは天然無垢桐仕上げになので、健康で深い睡眠が期待できます。桐のフローリングの厚みは30mmの本物です。
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今まで床の間と押入れになっていた部分ですが西風と採光を入れたいので、高めにサッシ窓を設けました。こうすることで、南面の掃きだし窓へ風が流れます。夏になっても風が通ればエアコンも必要なくなります。そして西日も遮ることが出来ます。
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断熱性能を高める為、高性能の断熱材を使用します。
今までお引き渡しさせていただいたお客様からも「寒くてエアコンをつけるだけど、暑くなって、すぐにスイッチを切るよ」と言う喜びの声をたくさん頂いています。
築30年、40年をリセットすればまだまだ使えます!
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解体が始まりました。今、解体している部分が、将来LDK部分になるところです。昼間でも電気を付けないと食事が出来ない状態でした。東側からのキッチン前の小さな窓からしか光が入りません。今回、吹き抜け天井にして、天井裏で眠っている太い黒い梁を室内に見せます。現場調査で天井裏に400mm×300mmの太い梁が2つ重なっていました。
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30年前に一度リフォームしています。若奥様が結婚するときにリフォームをしたようです。そのときに見えていた梁を隠して天井を貼ったようです。昔の天井の高さに天井を貼るので当然床の高さは低くしなくてはいけません。床下の換気が悪くなるのでフローリングが早くブカブカになります。床をバリアフリーにすることで、風通しが良くなり床下の環境が良くなります。90年前の配線、30年前の配線がごちゃごちゃになっているので電気屋さんに整理してもらっている様子です。
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柱一本一本どちらかに傾いているので「サゲフリ」を使って調整します。スケルトンの状態にすると、屋根裏の太い梁に対して、柱が細すぎるので、お施主さまが「こんなに柱が細くて大丈夫?」と心配されていましたが、これからの工事の進み具合を見て安心してくれると思います。新築とは違って、腕の良い大工さん、経験豊富な大工さんでないと仕事を請けることは出来ません。
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横たわっている太い菅がジャッキです。梁に固定して柱を垂直にして、基礎部分までの高さで柱を切るので用意しました。90年前でも肝心なところの基礎はコンクリートで仕上げてあります。石ころ部分も何箇所かありました。石ころにのっただけの柱でも風通しなど環境がよければ何の腐りやシロアリ被害もありません。乾燥していれば木材が一番、耐久性があることが証明できます。日本の風土に合った在来軸組工法、先人の人達が考えた知恵は素晴らしい!
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一番日当たりの良い南、西面の通し和室2つから解体を始めました。昔の家は、年に何回かのお客様の為に一番日当たりの良い、風通しの良いところに部屋を造ったものです。家族の毎日生活する、台所と水廻りは、日の当たらない北側に作ってあります。昼間でも電気を付けないと食事が出来ないとか、水廻りが風通しが悪いと、腐朽菌やシロアリの住処となるわけです。将来のことも考え、今回のリフォームで一番日当たり、風通しの良い寝室に甦ります。

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解体してみると、ペッタンコになった断熱材(グラスウール)が出てきました。この断熱材は湿気、水分を含むとちじみ、スポンジのように元に戻りません。雨漏りなどの現場では床面に落ちて、腐朽菌やカビなどが発生して土台の取替えになる場合もあります。他の断熱材に比べコストが安い為、今でも使用している建築業者(52%)が現状です。
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基礎が高い為、床下の環境も良いですが、浴室だけはタイル風呂なので、目地からの水漏れがあり、土台の腐りがあり取替えすることにしました。システムバスは床のコンクリートで固定する為、土台には振れませんが、念のため取り替えです。
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居間の天井にも何年か前の雨漏りのシミがあり、天井を撤去することで、原因がわかり、屋根瓦の谷を東と南面をステンレスに取り替えました。昔は銅板を使う処が多かったんですが最近はステンレスです。銅板は酸性雨などの腐食で谷に穴が空いて雨漏りの原因になることが多いです。

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台所8畳と居間8畳の取り合いの壁を撤去して、16畳のLDKをつくります。取り合いの壁の中心に梁を支える柱が出てきたので、その上の梁にジャッキをかい、邪魔になる柱を抜いて、さらに既存の梁の下に6寸(約18cm)の梁を補強して太い梁にし耐震性を高めます。こうすることで広いLDKをつくることが可能です。娘さんが子供さんを連れて、何時帰郷しても広い空間で家族団らんが楽しめる空間が実現します。