現場ブログ

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解体工事が終了し、雨が漏らないように上屋根にアスファルトルーフィングを敷いていきます。1Fの和室の通し間は既存のまま残すため、雨が侵入しないようにルーフィングを敷いておきます。屋根瓦を葺かなくてむこれだけで雨の侵入を防ぐことができます。1Fの下屋は損傷がひどく野地板の取り換えからやっていく必要があります。一部残すところがあると工事中の養生や気配りが大変になります。
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こちらは建物の北面になります。北側は増築の水廻りスペースと西面に6畳間が増築してありました。屋根の取り合いが悪く雨漏りの原因になっていたこともあり、垂木(下地から)やり変えとなりました。2F屋根裏の土壁も耐震補強部分とサッシの取り付け部分は撤去しています。土壁は日本の風土にピッタリ合った先人の人達の考えた知恵です。湿気の多いときは湿気を吸って、乾燥するとはきだし、調湿効果があります。耐震強度も少しはあります。
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瓦下地ルーフィングが全て終了して屋根からの雨の侵入は無くなりました。 瓦は防災瓦の栄四郎プラウドプレイン「銀黒」を使用します。一切の装飾を省いて「シンプル」を追及した現代和風の家でも、屋根を美しく演出するデザインの平板瓦です。もちろん防災や断熱など、機能面も両立し、落ち着きと重圧感を備えた色彩が豊な屋根表情を演出します。
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増築してあった部分です。6畳和室と北側には水廻りトイレ、洗面脱衣、システムバスがありましたが、増築のやり方、屋根の取り合い部分の納め方が良くなく両方とも雨漏りの原因となり腐って屋根瓦が落ちていた場所です。しかし、本物の無垢の木は強いですね!右下の部分に木の土台の上に柱が建ててあります。建物の外周はそのように造ってありますが、90年以上雨風、自然にさらされて通気性が取れていれば、まだまだ使える訳です。自然界でつくられたものは持ちが違います。古民家では珍しく床下にコンクリートが流してありました。何十年か前にリフォームされたときに打ったようです。思っていたよりも梁の損傷がひどいので取り換える形になります。
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西側から撮影した写真です。ここから撮影すると大きく減築したことがわかります。私の立っている所にも小さな小屋があり山からの土砂で倒壊し埋まってし待っていました。手前のコンクリート部分に6畳が増築してあり、左側北側には出島のように水廻りが増築してありました。それらを全部解体処分して31坪ほどに「減築」です。こうすれば屋敷周りの風通しも良くなり、建物の為にもいい環境です。現代の高性能(リセット住宅)にして、また100年使えます!
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風もなく、天気が良かったので10人のスタッフで2Fの瓦をおろしました。築90年となると土が多く、瓦よりもその土を降ろすことが大変な作業です。1Fの屋根の高さまでダストシュートを作りダンプに土を入れて行きます。昔は、土が瓦を止めるノリ役目として使われていたので屋根に乗っている量も半端なく乗っていました。屋根の一番高い所の棟は高い程良いとされていましたので棟瓦も何重にも積んであります。最近の地震では崩れてしまうのでカンぶり瓦一枚だけの家をよく観ます。上屋根、下屋根合わせるとかなりの量となります。屋根瓦と土をおとしただけでだいぶ軽くなりました。
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御前崎市門屋 築90年古民家再生 減築46坪⇒31坪へ「二人暮らし」高性能リノベーション(解体工事)が始まりました。90年前に建ててから何度か水廻りや6畳洋間を増築をしている建増築をしている建物で、1Fだけで46坪あります。広さはありますがその都度、増築をしてきた為、建物が凸凹していて屋敷廻りの風通しも良くありません。増築した部分の屋根の取り合いも良くないので雨漏りの原因となっています。ひどい所は天井が穴が空いていて瓦が見える状態になっています。2人暮らしなので周りの凸凹部分を全て撤去して、「減築」31坪にして高性能な住まいに造り変えます。
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古民家の特徴で通しの和室間と合わせ田の字で和室4室になっています。広縁と和室の取り合いにある柱の太さは5寸近くあります。屋根裏まで長く伸びている本物の無垢材の通し柱です。今の新築の多くは3.5寸の太さが通常です。さらに集成柱です。集成材はラミナと言う細い小さい木を強力なノリ(レゾルシノール)で貼り付け柱の太さに切り落として製品とします。ノリで貼り付けた新建材なので貼った時が一番耐久性がありそれから少しずつ劣化が始まります。ノリの耐久性は25年位と言われていますが・・・。リフォームの問い合わせで良くあるのが、築30年位経って床がブカブカするので一度見て欲しいと言う問い合わせがありますが、フローリングがべニアにシートが貼ってあるフローリングだと貼り合わせたノリの劣化でその現象になります。  それに比べて無垢材は樹齢150年の木材であれば通気性の良い環境であれば150持ちます。本物と偽物の違いはそこにあります。さらに有害物質(ホルムアルデヒド)なども放出しません。24時間換気も必要ありません。
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写真の右側にあるのが8寸の太さの大黒柱です。(≒24cm角柱)で左奥に見えるのが6寸角の大黒柱です。(≒18cm角柱)に刺し鴨井で繋いであります。め「夫婦大黒柱」です。そこに嵌っている建具を「素戸」と言います。古民家にはよく使ってある建具になります。建物全体の重量がここに集まっているのは梁(差し鴨井)が下がって建具が取れないのでジャッキアップして素戸を撤去し、再利用していきます。リノベーションの良い所は家族の思い出や現代では作っていない商品をアクセントデザインとして再利用できるところが面白い!
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北側の水廻り増築部分の解体です。たぶん20年ほど前に水廻りを増築したんでしょう?母屋との増築部分の屋根の取り合いが良くなく雨漏りの原因になっています。それともう一つ西側の6畳増築部分の屋根の取り合い、納め方が良くないので雨漏りの原因になっています。今回の高性能天然木リノベーションでその部分を全て解体、撤去して、雨漏りの無い屋根に造り変えていきます。
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断熱工事が終わると内装下地工事となります。リフォーム前はいろいろな配線が柱、梁にステップルで止めてあったので配線が室内の美観をおとしていたので全て壁内に収まるよう天井高をH2400取ることで太い柱を出して、古民家らしさを残すことができます。  写真は以前は廊下でした。昔の家の造りは廊下部分が多く、廊下を造ることで風通しや採光が取れなくなり暗いスペースとなっていることが良くあります。間取り変更で重要なことはいかに廊下スペースを無くし、風通し、採光を良くするかにあります。究極はアパートの間取りです。いかに狭いスペースで快適な暮らしができるかです。今回、廊下部分と食堂を合わせて、食堂10.12畳+廊下=LDK19.5畳の広さとなります。
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19.5畳のLDKは対面キッチンとしました。家電収納壁からD2300出たところにキッチンの壁を設けます。キッチンが設置されると家電収納とのスペースが1000ほどになりますのでキッチンの使い勝手の動線はスムーズです。キッチンもウッドワンで扉が赤松、家電収納扉も赤松、フローリングも赤松、窓枠、笠木も赤松材で仕上げるのでトーイツ感が出ます。キッチン壁にも腰の高さまで赤松のウェーブ材を施工します。家具である食卓テーブルも赤松テーブルにして頂きました。  赤松材は他の無垢材と比べて木肌も奇麗、優しさ、温もり、柔らかさを感じる木材ですが耐久性もあり、とても人の暮らしにマッチする商品です。
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写真は赤松フローリング15mm厚です。床下に根太60*45の根太を敷いてその間に湿気や水に強いミラネクストΛ50mm厚を嵌め込みその上に構造用合板12を施工し、その上にフローリングを施工していきます。無垢材と言ってもウレタン塗装してあるフローリングが多く出回っていますが、塗装してしまうとフローリングが息ができなくなります。塗装で塗膜ができてしまいますので、素足で乗ると木のぬくもりでなく塗装の冷たさを感じ、幾ら無垢フローリングと言っても、石油工業品と同じことになってしまいます。ですので当社では、無塗装のフローリングにオイル(ウッドライフ)を塗ります。こうすることで木の温もりや香りを楽しむこともできます。もちろん汚れも付きにくくなります。  無垢材は乾燥が命です!木材に含まれる水分量を含水率と言います。通常、室内平衡含水率は6%~7%とされています。当社では室内に使用する無垢材は含水率5%まで乾燥ガマで130℃で三日間乾燥させた仕上げ材を使用しています。窯から出して、1~2%は戻りますので、ちょうど室内平衡含水率と同じになるので、ストーブ、エアコンをガンガン使用しても変形はほとんどありません。他社のフローリングはこの乾燥ができないので、外気と触れないように塗装でくるんでしまうのです。息ができないので変形も起こりませんが、無垢材であっても冬場フローリングに乗ると冷たく感じます。人間が作る新建材は自然界の造るものとは何処か違ってきます。