まにゃまる日記

実際に世界最古の木造建築物の法隆寺の東塔は現在も維持されています。

(ちなみに世界最大の無垢材建築物は東大寺大仏殿です。)

20年に一度の弐年遷宮のご用材として指定されるのは木曽檜です。

大阪城や愛媛城など有名な城の大黒柱には木曽檜が使われ、松本城は檜を使用した
天守を持つ現存する最古の城で天守は国宝に指定されています。

ヒノキは伐採してから200年間は強くなりその後1000年をかけて徐々に弱くなると言われています。

実際にヒノキで建てられた法隆寺や薬師寺の塔(西・東塔)は1300年経った今も維持されています。

五重塔は幾度も修復されていますが、柱や梁、桁など肝心なところはすべて創建当時の檜であり、
どれも樹齢1000年以上のものです。

それが1300年以上経っても朽ちる事がありません。

修復の際にその表面をカンナで削ると檜独特の香りを放ったと言います。

つまり檜は1300年経っても生きているといえるのです。

ここにヒノキならではの半永久的と言える強靱さの秘密があります。

間取りコラム

檜(ヒノキ科ヒノキ属の常緑針葉樹)

ヒノキは日本と台湾にのみ分布します。

日本では福島県以南から、九州までの広い地域に分布しています。

日本では木曽に樹齢450年の檜が生息しているのが最高ですが、台湾では2000年の檜が生息しています。

日本書紀に「スギとクスノキは船に、檜は宮殿に、コウヤマキは棺にせよ」と記されれあることで
檜は建築材として日本古来より最良の木材として使われて来ました。

植林する場合にはスギを谷側に、ヒノキを尾根側に植えるのが通例でこれは檜が典型的な
陰樹の特性を持ち幼樹は日当たりを嫌う性質によります。

スギの樹皮と似ており比較するとヒノキの樹皮は赤褐色で巾が広い特徴があります。

縦に裂け薄く剥がれ「檜皮葺(ひわだぶき)」と呼んで屋根葺き材に使用したりします。

小枝は広く分枝し、やや水平に並びます。

葉は鱗片状で、葉の裏側にはY字状に気孔溝(白い筋で見える部分)が見えるものがヒノキです。

断面はきれいな淡褐色で年輪がはっきりしており材にして乾燥すると芯材、
辺材の差がなく全体が白みを帯びて美しい仕上がりになります。

香り(フィットンチッド)は、テルペイノド、カジノールなど、動物にはリラックス効果があります。

日本産のヒノキには「ヒノキチオール」は含まれておらず日本ではヒバから得るのが一般的です。



間取りコラム

スギの芯材部分は、色が黒、赤、中間の個体、まだらなものなど様々で、
それにより存在する水分量に個体差があります。

芯材水分が多いもの(黒芯材)と少ないもの(赤芯材)に分けられこのため
初期含水量に大きく差があり、ばらつきやすいのが杉の特長でもあります。

各地で経験的に言い伝えられていたのは、特に水分の多い谷間で多いと言われ
成長の良い超えた土地でも黒色を呈する例があります。

また自然落枝による枝の巻き込みの際に菌の侵入等によっても黒芯材が加速される可能性が
極めて高いと言われています。

こういった場合は、林全体というよりも、まだら模様であったり、枝巻き込みの部分のみの変化が見られます。

またこういった黒色化した杉の遺伝により、継承される場合もあるようです。

木材に関しての基礎知識

高含水率では、多量の水が何処からか移動してきて貯蓄されます。

また芯材化に伴って液体や気体が移動しにくくなります。

その原因の一つはこれらの移動を抑制する仮道管相互の有緑壁孔が閉鎖されてしまう比率が高くなるからです。

黒杉材は含水率が高い傾向にありますが、強度的には赤杉と変わりません。

黒杉材はカリウムなどの灰分量が多く、弱アルカリ性を示します(通常、赤杉の樹液は、やや酸性を示します。)。

長期の天然乾燥や、高温乾燥により材色はやや薄く改善はされますが、赤芯材に比べやはり多少は黒味が強くなる傾向にあります。

黒杉材の耐久性は高いとされ、昔は地域によっては土台として利用されていました。

人工乾燥が主流の現代では含水量が高く乾燥が難しいので、仕上がりのバラつきを抑える意味でも
予め選別をかけて黒芯材と赤芯材の乾燥スケジュールを分けて行う場合もあります。

丸太(立木)時点での区別がつかないため伐採してみないと解らないのが難点です。


役柱(芯去材)

柱材にも芯持と芯去が存在します。

芯待柱は、比較的小さい丸太で製材が可能で樹芯に近い分節が出やすいために一般材用として多く用いられます(もちろん芯持にも役柱はあります)。

特に芯去りの材を「割角」と呼び、大きな丸太の側に近い部分で製材するため節が出にくく和室の役柱や造作材に使われることが多いです。

新持柱は「4面杢」になりますが、割り方の違いにより割角に関しては「2面杢・2面柱」か「4方柾」になります。

そもそも節の少ない大きな丸太自体が高値の材ですが、割角は芯持に比べて製材ロスが多く同じ体積の柱であっても5倍程度から4面無節になれば10倍程の金額にもなります。

産地や無節の面数や赤・白によっても価格はかわるので、100%ではありませんが

特一材⇒上小(芯持)⇒無節(芯持)⇒上小(芯去)⇒無節(芯去)

の順に金額も変ってきます。

こういった等級・価格のグレードが非常に細かいのも杉材の特長であり、
日本独自の材で日本が木材に、こだわりを持って扱ってきた歴史の表れだといえます。


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乾燥前の初期含水量が非常に高いのが特徴です。

伐採直後の材は150~200%も水分を含んでいることもあり、伐採より葉枯らし等の事前乾燥や工事での
人工乾燥も長時間の乾燥をかけないとしっかりとした乾燥材にはなりません。

良木を使用し「背割れ」を入れ、中までしっかりと乾燥し(無背割れ材は疑問…)
背割れで乾燥の応力を吸収し割れを軽減させています。

そのため人工乾燥でのサイクルも長い期間が必要となり、他の樹種に比べコストUPに繋がったり、
乾燥機の設備費用が掛かる場合があります。

あらかじめ桟積を行い、事前に天然乾燥(予備乾燥)をしておくことが、
乾燥スケジュールの短縮と材の損傷の軽減に繋がります。


木材に関しての基礎知識


天然無垢材もピンからキリまで。その決め手は「乾燥」です!