現場ブログ

IMG_07601
既存の玄関は天井が低く、正面の太い梁に壁紙を貼るために下地を貼り付けてジュラクのクロスを施工してありました。色がグリーン系なので更に雰囲気は重い感じで狭く感じさせます。築170年の古民家なので、逆にその梁を出して明るい珪藻土で仕上げればいくらか解消されます。天井も施工しやすさを優先したのか?もっと高くすることもできました。床のPタイルも床の底上げをして構造用合板の上に施工してありましたので歩くと床下の空洞になっている音がしましたので、天井、壁、床全て解体・撤去して、床にはコンクリートを打ち300×300タイルを施工していきます。
IMG_30551
息苦しかった玄関が解放的な空間となりました。さらに良いことに玄関と応接室の取り合いの壁を撤去したことで、来客された方にも天井の太い梁を観れることです。古民家再生も数をこなしてくると、築170年~180年の古民家と一般的に多い築90年~100年の建物の梁の太さが違うことに気が付きます。築90年の古民家の梁に比べ、築170の梁の太さは倍以上もあり、弓なりの曲りも違います。その時代の日本の暮らしが創造できます。昔になればなるほど国内でそのような材料が取れたのだと思います。木は200年の樹齢であれば通気さえよくしてあげれば、200年持ちます。 高齢者でもホールに上がりやすいように階段の蹴上も少なくし、踏板は巾の広い上がりやすくしました。右側の袖壁は丁度手摺代わりの高さになっています。すぐに帰る来客に対しては、右下の玄関框に腰を下ろして話せる高さ(H420)ほどにして、椅子代わりに使用できます。また、照明の下に応接セットを後で設置して長時間の打ち合わせの来客はホールに上がって話せる空間になりました。正面の万本格子の引き違い扉を開けると家族で使用する19畳のLDKとなります。フローリング、窓枠、建具、全て赤松無垢材は木肌が優しく人間の住まい空間にはピッタリです。また古民家の太い梁にも会いますね!
IMG_3693
解体工事が終了し、雨が漏らないように上屋根にアスファルトルーフィングを敷いていきます。1Fの和室の通し間は既存のまま残すため、雨が侵入しないようにルーフィングを敷いておきます。屋根瓦を葺かなくてむこれだけで雨の侵入を防ぐことができます。1Fの下屋は損傷がひどく野地板の取り換えからやっていく必要があります。一部残すところがあると工事中の養生や気配りが大変になります。
IMG_3695
こちらは建物の北面になります。北側は増築の水廻りスペースと西面に6畳間が増築してありました。屋根の取り合いが悪く雨漏りの原因になっていたこともあり、垂木(下地から)やり変えとなりました。2F屋根裏の土壁も耐震補強部分とサッシの取り付け部分は撤去しています。土壁は日本の風土にピッタリ合った先人の人達の考えた知恵です。湿気の多いときは湿気を吸って、乾燥するとはきだし、調湿効果があります。耐震強度も少しはあります。
IMG_3698
瓦下地ルーフィングが全て終了して屋根からの雨の侵入は無くなりました。 瓦は防災瓦の栄四郎プラウドプレイン「銀黒」を使用します。一切の装飾を省いて「シンプル」を追及した現代和風の家でも、屋根を美しく演出するデザインの平板瓦です。もちろん防災や断熱など、機能面も両立し、落ち着きと重圧感を備えた色彩が豊な屋根表情を演出します。
IMG_3492
増築してあった部分です。6畳和室と北側には水廻りトイレ、洗面脱衣、システムバスがありましたが、増築のやり方、屋根の取り合い部分の納め方が良くなく両方とも雨漏りの原因となり腐って屋根瓦が落ちていた場所です。しかし、本物の無垢の木は強いですね!右下の部分に木の土台の上に柱が建ててあります。建物の外周はそのように造ってありますが、90年以上雨風、自然にさらされて通気性が取れていれば、まだまだ使える訳です。自然界でつくられたものは持ちが違います。古民家では珍しく床下にコンクリートが流してありました。何十年か前にリフォームされたときに打ったようです。思っていたよりも梁の損傷がひどいので取り換える形になります。
IMG_3604
西側から撮影した写真です。ここから撮影すると大きく減築したことがわかります。私の立っている所にも小さな小屋があり山からの土砂で倒壊し埋まってし待っていました。手前のコンクリート部分に6畳が増築してあり、左側北側には出島のように水廻りが増築してありました。それらを全部解体処分して31坪ほどに「減築」です。こうすれば屋敷周りの風通しも良くなり、建物の為にもいい環境です。現代の高性能(リセット住宅)にして、また100年使えます!
IMG_3631
風もなく、天気が良かったので10人のスタッフで2Fの瓦をおろしました。築90年となると土が多く、瓦よりもその土を降ろすことが大変な作業です。1Fの屋根の高さまでダストシュートを作りダンプに土を入れて行きます。昔は、土が瓦を止めるノリ役目として使われていたので屋根に乗っている量も半端なく乗っていました。屋根の一番高い所の棟は高い程良いとされていましたので棟瓦も何重にも積んであります。最近の地震では崩れてしまうのでカンぶり瓦一枚だけの家をよく観ます。上屋根、下屋根合わせるとかなりの量となります。屋根瓦と土をおとしただけでだいぶ軽くなりました。
IMG_3392
御前崎市門屋 築90年古民家再生 減築46坪⇒31坪へ「二人暮らし」高性能リノベーション(解体工事)が始まりました。90年前に建ててから何度か水廻りや6畳洋間を増築をしている建増築をしている建物で、1Fだけで46坪あります。広さはありますがその都度、増築をしてきた為、建物が凸凹していて屋敷廻りの風通しも良くありません。増築した部分の屋根の取り合いも良くないので雨漏りの原因となっています。ひどい所は天井が穴が空いていて瓦が見える状態になっています。2人暮らしなので周りの凸凹部分を全て撤去して、「減築」31坪にして高性能な住まいに造り変えます。
IMG_3378
古民家の特徴で通しの和室間と合わせ田の字で和室4室になっています。広縁と和室の取り合いにある柱の太さは5寸近くあります。屋根裏まで長く伸びている本物の無垢材の通し柱です。今の新築の多くは3.5寸の太さが通常です。さらに集成柱です。集成材はラミナと言う細い小さい木を強力なノリ(レゾルシノール)で貼り付け柱の太さに切り落として製品とします。ノリで貼り付けた新建材なので貼った時が一番耐久性がありそれから少しずつ劣化が始まります。ノリの耐久性は25年位と言われていますが・・・。リフォームの問い合わせで良くあるのが、築30年位経って床がブカブカするので一度見て欲しいと言う問い合わせがありますが、フローリングがべニアにシートが貼ってあるフローリングだと貼り合わせたノリの劣化でその現象になります。  それに比べて無垢材は樹齢150年の木材であれば通気性の良い環境であれば150持ちます。本物と偽物の違いはそこにあります。さらに有害物質(ホルムアルデヒド)なども放出しません。24時間換気も必要ありません。
IMG_33821
写真の右側にあるのが8寸の太さの大黒柱です。(≒24cm角柱)で左奥に見えるのが6寸角の大黒柱です。(≒18cm角柱)に刺し鴨井で繋いであります。め「夫婦大黒柱」です。そこに嵌っている建具を「素戸」と言います。古民家にはよく使ってある建具になります。建物全体の重量がここに集まっているのは梁(差し鴨井)が下がって建具が取れないのでジャッキアップして素戸を撤去し、再利用していきます。リノベーションの良い所は家族の思い出や現代では作っていない商品をアクセントデザインとして再利用できるところが面白い!
IMG_3395
北側の水廻り増築部分の解体です。たぶん20年ほど前に水廻りを増築したんでしょう?母屋との増築部分の屋根の取り合いが良くなく雨漏りの原因になっています。それともう一つ西側の6畳増築部分の屋根の取り合い、納め方が良くないので雨漏りの原因になっています。今回の高性能天然木リノベーションでその部分を全て解体、撤去して、雨漏りの無い屋根に造り変えていきます。