近年当たり前のように住宅に使われている集成材。
これがいったいどういうものでどのような経緯で普及してきたのかご存知でしょうか?
集成材は、ラミナと呼ばれる挽き割った板材を接着剤で貼り合わせたもの。
これを一本の柱や梁として構造躯体に使います。
100年ほど前にドイツで生まれた材料で、日本の住宅に使われるようになってから、まだ十数年という、歴史の浅い材料です。
集成材が普及した理由は?
- 天然無垢材の柱や梁を乾燥させるより、手間いらず。寸法変化が少なく、面倒なクレームが起きにくい。
- 板材なので無駄にする材料が少ない。(見た目の悪い材も、良い材で挟んでしまえば見えません)
- 材料の取扱いが非常に簡単。(熟練の技が不要)
集成材のデメリットは?
健康、耐久性、環境の面から見て、どれに対しても難点があります。しかし、はく離や健康を害する報告があっても当たり前のように普及しており、事件への対応もずさんです。
国が危険性を考慮して改善する法律ができるまで、相当な時間が掛かることでしょう。
健康に害がある
レゾルシノール系接着剤に含まれるホルムアルデヒドは、「シックハウス症候群」を引き起こす原因物質のひとつ。家に長時間いる主婦や抵抗力の弱い子ども、 お年寄りに発生率が高いとされ、眼やのどの痛み、めまい、吐き気、
頭痛、皮膚疾患といった初期症状から進み、神経障害、化学物質過敏症などに至ります。
特に、有害物質を受け入れる許容量が小さな乳幼児への影響は深刻です。
耐久性が心配
繰り返しになりますが、集成材はラミナを接着剤で貼り合わせたもの。集成材の寿命はどうあがいても、接着剤の耐久性がすべてなのです。
住まいの骨格となる柱や梁の寿命が接着剤まかせでいいのでしょうか。
接着剤は湿気に弱く、使用年数が長くなれば剥がれてくるものです。
環境にも悪影響
廃材を焼却処分する時、接着剤からはダイオキシンなど有毒な化学物質が発生します。また、その耐久性の悪さからリサイクル(再利用)は難しい素材です。
※天然無垢材なら古民家や蔵を移築したり、梁や柱を再利用できます
「集成材は、木材を有効に使うから環境にやさしい」というイ メージがありますが、実はこのような弊害があるのです。