ひとめ惚れした丸太を一本だけ買った。
10家族のものがたり
何世代もの時代(とき)を超えた、大きな大きな杉の丸太
ーその一本の木との出会いが、丸山さんの家づくりの
スタートだった。「前の家には思い入れがあったので、
建て替えたかったわけではないんですけどね・・・」
ご主人が、当時の想いを語ってくれた。建て替える前の家
はご主人が7歳の頃から住んでいた家で、両親や祖父母と
過ごしてたたくさんの思い出が詰まっていた。
家そのものもお祖父様が木材を吟味して建てられたこの
地域らしい和風建築で、簡単に取り壊すには惜しい風情を
湛えていた。とはいえ、新潟を襲った4度の地震のために
あちこちが傷んでおり、中越地震の後には隙間風が身に染
みるようになっているのも認めざるを得なかった。
「建て替えましょうよ」という奥様の声に背中を押されて
渋々出かけた先で出会ったのが、夢ハウスだった。