家づくり



災害が起きてから大切さに気がつくのが「耐震性」です。

地震大国と言われる日本。住宅を建てる上で、耐震構造は外せないポイントの一つです。

「郷の家」「ツミキ」シリーズの耐震構造は2度の震災に耐えた実績があります。

なぜ、そんなことが可能だったのか工法をもとに見ていきましょう。


軸組パネル工法

一般的な在来工法で使われる筋交いでは点で支えるのに対し、軸組パネル工法では面で支えます。
これは、筋交いに比べ3.3倍の壁倍率となります。
軸組パネル工法

高い耐震性を誇るパネル工法



剛床工法

一般的な在来工法では乗せてビス一点で止めるだけなので地震のエネルギーに負けてしまいます。
しかし、剛床工法では、通常の4倍の太さの根太をしっかりと組んでとめるので一般的な工法に比べ3.7倍にもなります。
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「実際に命を守った家」

  大地震にビクともしなかった耐震性能



新潟県中越大震災[長岡地区:震度6強]

平成16年10月23日17時56分に新潟県中越地方において、M6.8の「新潟県中越大震災」が発生。
集落内で唯一「被害のなかった」 建物として話題を集め、NHKでも3度取り上げられました。

写真/灯油タンクやエアコンの室外機が倒れているが、建物・構造 部分には全く影響は見られない。
地割れが改良地盤でとまっている。 (平成16年9月完成)

中越大震災

中越大震災2


新潟県中越沖地震[刈羽地区:震度6強

平成19年7月16日10時13分に新潟県上中越沖を震源とする M6.8の「新潟県中越沖地震」が発生しました。中越地方では中越地震以来のM6以上および震度5以上の地震となりました。

写真/内装は壁紙にシワひとつ入らず、構造部分や外観にも影響は全く見られなかった。
地割れが地盤改良部分との境目でしっかりと止まっている。 (平成18年11月完成)
中越沖地震
中越沖地震2

近年当たり前のように住宅に使われている集成材。

これがいったいどういうものでどのような経緯で普及してきたのかご存知でしょうか?

集成材は、ラミナと呼ばれる挽き割った板材を接着剤で貼り合わせたもの。

これを一本の柱や梁として構造躯体に使います。

100年ほど前にドイツで生まれた材料で、日本の住宅に使われるようになってから、まだ十数年という、歴史の浅い材料です。


集成材が普及した理由は?

  • 天然無垢材の柱や梁を乾燥させるより、手間いらず。寸法変化が少なく、面倒なクレームが起きにくい。
  • 板材なので無駄にする材料が少ない。(見た目の悪い材も、良い材で挟んでしまえば見えません
  • 材料の取扱いが非常に簡単。(熟練の技が不要)
しかし、ここにはお施主さんにとってのメリットは見当たりません。あくまで売る側、業者側のメリットだけです。


集成材のデメリットは?

健康、耐久性、環境の面から見て、どれに対しても難点があります。
しかし、はく離や健康を害する報告があっても当たり前のように普及しており、事件への対応もずさんです。
国が危険性を考慮して改善する法律ができるまで、相当な時間が掛かることでしょう。


健康に害がある

レゾルシノール系接着剤に含まれるホルムアルデヒドは、「シックハウス症候群」を引き起こす原因物質のひとつ。
家に長時間いる主婦や抵抗力の弱い子ども、 お年寄りに発生率が高いとされ、眼やのどの痛み、めまい、吐き気、
頭痛、皮膚疾患といった初期症状から進み、神経障害、化学物質過敏症などに至ります。
特に、有害物質を受け入れる許容量が小さな乳幼児への影響は深刻です。


耐久性が心配

繰り返しになりますが、集成材はラミナを接着剤で貼り合わせたもの。
集成材の寿命はどうあがいても、接着剤の耐久性がすべてなのです。
住まいの骨格となる柱や梁の寿命が接着剤まかせでいいのでしょうか。
接着剤は湿気に弱く、使用年数が長くなれば剥がれてくるものです。

環境にも悪影響

廃材を焼却処分する時、接着剤からはダイオキシンなど有毒な化学物質が発生します。
また、その耐久性の悪さからリサイクル(再利用)は難しい素材です。

※天然無垢材なら古民家や蔵を移築したり、梁や柱を再利用できます

「集成材は、木材を有効に使うから環境にやさしい」というイ メージがありますが、実はこのような弊害があるのです。
集成材の弱さ
以上の説明で理解していただけたかと思いますが、集成材が特別に優れている訳ではありません。


集成材を勧める会社は「強さ」を売りにするが・・・
「集成材は木の1.2倍の強度があり~・・・」という宣伝文句も時折見かけますが
それは切り倒したばかりの木材との比較です。
実際に家を建てるときには乾燥させた木材を使用しますので、まったく比較になりません。
どれくらい乾燥させるか(含水率といいます)で強度が変わるのです。

木材は、ひとつの塊である状態が一番強度が高いのです。
同じ荷重を支えるのに、1つの天然無垢材で支えるのと、半分の大きさで2段にするのとでは強度が変わります。
半分の大きさでは、1つ分の強度が半分以下になるため、2段にしても1つの材と同じ強度にはなりません。

集成材では、その不足した強度を接着剤で補っているのです。
ですが、接着剤には寿命があり、上で説明したように住宅に使うには納得できない部分も多くあるので
その点を理解したうえで、素材選びをしたいですね。


~まとめ~

集成材には売る側に取ってはメリットがあるものの、

お施主さんにとってはデメリットばかりの使ってほしくない建材。



リビング

近年当たり前のように住宅に使われている集成材。


しかしこれには健康面、耐久性などさまざまなデメリットがあることもわかっています。


そこで建材に天然無垢材を使うことのメリットや気をつけなければいけないポイントにはどんなものがあるのでしょうか。

ユキトシ天然無垢材で家づくり


「天然無垢材」とは

山や森で育った原木(丸太)から、使用する大きさに挽き割った材料をいいます。古来より日本の建築文化に深く根付き、現存する歴史的な寺社仏閣もみな天然無垢材による木造建築です。日本最古の木造建築物「法隆寺五重塔」など約1400年以上も立ち続けています。
天然無垢材は、こんなにも耐久性のある材料なのです。

夏は涼しく、冬は暖かく

木の断熱性はコンクリートの約12倍と言われるほどで、周囲の温度に影響されにくいのが特徴です。
夏、木に触れてもベタつくことなく、とてもさわやか。冬は、ほんのりとした温もりを感じることができます。
木の住まいではエアコンに頼る度合いが低くなるので、からだへの負担が軽減されるとともに、省エネにも役立ちます。


湿度を調節する

天然の木は、伐採された後も呼吸を続けています。
湿気が多くなれば水分を吸収し、乾燥すると内部の水分を水蒸気として空気中に放散する、いわば天然のエアコンです。
奈良の正倉院は太い木材を横にして重ねていく校倉造り。
1300年近くの時を経た今でも、中の宝物を大切に守り続けているのは、木のもつ優れた調湿作用によるものです。


ダニ、カビ、細菌類に強い

木の精油には、ダニ、カビ、細菌類の増殖を抑える効果があります。
たとえば、ヒバや檜の精油成分であるヒノキチオールは、100~1000ppmの濃度でカビ類、ブドウ球菌、大腸菌といった細菌類の増殖を抑制。ヒバ、檜、ベイヒバ、ベイスギ、赤松などはアレルギーや喘息の原因となるダニの増殖も抑えます。
木のもつ調湿作用によって結露やカビも防止でき、空気をきれいに、快適に保つことが出来るのです。


ストレスを和らげる

森林浴をすると、リラックスして心地よくなるのは、樹木が発する芳香成分(フィトンチッド)の働きによるものです。
フィトンチッドには、人間の自律神経を安定させる作用があると言われています。
この作用は樹木が伐採され、木材となっても失われないものです。
木造の住まいなら、中にいるだけで森林浴効果が得られるのです。


地震に強い

"くるい"なく建てられた木造建築の耐震性は鉄骨造やコンクリート造を圧倒的に上回っています。
伐採後に充分に乾燥させた木は、呼吸しながらもさらに乾燥が進み、固化して、いっそう強度を増していくのです。
樹齢年数が高いほど強度も高くなると言われています。


ここまで天然無垢材の良い所をあげてきましたが、

建材として使うためには気をつけなければいけないポイントがあります。

それは、乾燥木遣いです。



木の乾燥について

木は乾燥によって収縮、変形するもの。良質な木でできた無垢材でも乾燥が不十分であれば、
反り返り、ねじれ、割れなどを起こし、建築後におおきなトラブルを招くことになります。
木の命を生かすのも、殺すのも乾燥次第なのです。
充分に乾燥させた無垢材を用いれば、収縮・変形が生じることはありません。
時間の経過とともに固化し、強度がますます高まっていきます。
また、腐朽菌やシロアリの心配もありません。


昔の大工は、木の乾燥と収縮の関係をちゃんと心得ていました。

充分に自然乾燥させた無垢材を使い、棟上げの後もすぐには仕上げに取りかからず、

数ヶ月間は空気にさらして、しっかりと乾燥させたのです。


しかし現代では、建築にそれだけの時間をかける余裕がなく、前もって人工的に乾燥させたものを使うようになりました。

その乾燥の度合いが大きなポイントなのです。

木の乾燥の度合いを知る手がかりは「含水率」。この数値を指標に乾燥が充分な、本物の無垢材を追求していくことが大切です。


木遣いとは

本物の住まいづくりは、木の良さや特性を知ることから始まります。
木は種類や育った場所、周囲の環境などによって一本一本に個性が生じるものです。
一本の 木でも部分によって性質が違います。
これをしっかりと見極めて、適した場所に適した材料を使うことが、何百年も生き続ける住まいづくりの基本なのです。
木を正しく使うことを「木遣い」と言います。大工はこれを1400年以上も前から熟知していたのです。


たとえば、檜には耐久性に優れるとともに、シロアリ等の虫が嫌う成分のヒノキチオールを含んでいるため、土台や柱に用います。檜風呂なども、その耐久性を活かした使い方です。美しくて艶のある木肌、独特の香りも特徴の一つです。


そして杉には、「直ぐ(直ぐなる)」からつけられたと言われるように、杉材の繊維は縦方向。したがって、柱に向いています。

耐久性があり、ねばり強いのも特徴。しっかり乾燥させると、シロアリにも強い樹種です。



このように無垢材には住まう人にとって様々な効果・効能をもたらしますが、

無垢材を使って住宅を建てるには乾燥や木遣いについて心得た職人がいて建てられるものなのです。



木の収縮

住宅品質確保促進法(品確法)とは

住宅の瑕疵(欠陥)に対して売主が買主に責任を負う瑕疵担保責任についての法律でした。
では、どのような状態が瑕疵になるのか。例を挙げると「柱や梁などの収縮による壁の隙間」です。
収縮によってできた隙間

なぜ品確法が法令化されたのか?

最近の新築戸建ては高断熱、高気密による過乾燥で過酷な室内環境。
そこに用いる木材が水分を多く含んでいれば乾燥し、縮んで隙間ができてしまいます。

 そもそも品確法が法令化されたのは、乾燥の不十分な構造材を用いた多くの住宅が、
後に著しい収縮や変形に見舞われた事に起因します。
悪質なケースでなくとも後から欠陥住宅になってしまった、という事です。


←現在のお住まいに隙間はありませんか?
隙間が瑕疵(欠陥)にあたる理由
日本は高温多湿な気候。やがて結露はカビや、木を腐らせる腐朽菌を繁殖させます。
カビはアレルギーの原因となり、腐朽菌によって土台や柱が腐食してしまうと耐震性能の高い住宅だとしても倒壊する恐れがあります。


冬の場合、外壁の隙間から屋外の冷気が入り込み、室内の隙間からは暖気が逃げていきます。
見えない壁の中で双方が混ざり合い結露が起こります。


こうなれば品確法でいう瑕疵に該当するのですが、もし築10年までに柱や壁のカビや腐食が分からなかったら・・・?
自己負担で修繕することの無いよう、「木の乾燥」について正しい知識を身につけておくことが必要です。
見えない壁の中で結露がおこる

隙間から雨がしみこみ腐った木材