「隠れ家みたいな書庫」10家族のものがたり。

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「隠れ家みたいな書庫」10家族のものがたり。
大楽さんは、日々の生活に寄り添うような家を求めていた。

雑誌に載っているようなスタイリッシュな家よりも、

住まい手の暮らしぶりがにじみ出てくるような家がいい。

きれいなだけじゃなく、「あなたらしいね。」と言われる家がいい。

だから、たくさんの要望を伝えるのではなく、自分たちの暮らしの中で

欠かせないものだけを大事にしようと決めた。

大楽さんの毎日の中で絶対になくてはならないものといえば、本だ。

仕事柄、たくさんの本を所蔵している大楽さんにとって、書庫は欠かさない。

しかも、いろいろな大きさの本に対応できなくてはならない。

全国各地の郷土史や風土記など、文庫本サイズから大型の書籍まで

様々な大きさの資料があるからだ。

前に住んでいたアパートでも1室を書庫として使っていたが、

市販の書棚には納めきれず、床に積まれていたものもかなりあったのだという。

プランに先立って、大楽さんはすべての本をサイズ別に分類し、数量を確認した。
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新しい家の書庫は、リフォーム前の建物ガレージだった部分にできた。

天井まである桐製の書棚は蔵書を納めるのに十分な大きさで、

棚板の高さも調整できる。窓から差し込む光とやさしい色合いが、

書庫とは思えないほどやわらかな雰囲気を醸し出している。

書庫の上の中2階にできた小部屋は、想像以上の仕上がりだった。

この部屋は天井が低く、リフォーム前の建物ではガレージに

付属する物置のような圧迫感を感じてしまうこの空間を

どう活用するのか、大楽さんはプランの時から気になっていた。

だが、出来上がってみると書庫と同じくらいお気に入りの空間になった。

「まわりの部屋より一段低いので、隠れ家みたい(笑)ここに来るととても落ち着きます」

と笑顔で語る。

「まだ書棚の半分が空いているので、ほしい本をどんどん揃えて、もっともっと居心地の

いい空間にしていきます」

書庫と小部屋ー大楽さんが自分らしい時間を過ごす場所ができあがった。

牧之原市/古民家再生After
牧之原市/築60年 古民家リフォーム S様邸 ロフト