欲しかった。大楽さんご夫婦は、ふくみちゃんに、
毎日の暮らしの中で様々なものに触れて豊かな感性を
育んでほしいと願っている。
そのためには、土や草に触れることも大切だ。
ふくみちゃんが部屋の中と同じような感覚で庭に出て
遊べるようにと、リビングと庭をつなぐ縁側を設けた。
縁側のそばの日当たりのいい場所には小さな畳スペースを
つくって、丸い座卓を置いた。
縁側は大楽さんの憧れだったという。
「日向ぼっこをしながらのんびりできて、いつでもごろん
とよこになれるっていいじゃないですか」
休みの日は、ほとんど縁側か畳で過ごしているそうだ。
丸い座卓を選んだのにも意味がある。奥様は「座卓を置
こうと最初から決めていました。私たちは2人とも座卓の
ある家で育ちましたし、人をいっぱい呼びたいから。
円卓ならみんなで囲めるでしょう」という。