外国産材は品質が悪く価格が安い?⑤

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林野庁の統計では、製材工場における乾燥材の生産量は、全体の約10%にすぎず、
 何をもって「乾燥材」と呼ぶのか、その定義がないのです。 
実際に木材の含水率が何%を指している場合に「乾燥材」と呼ぶかは、製材業者によってまちまちなのです。 
15%もあれば、30%で乾燥材としている可能性すらないわけではないのです。 
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実態調査でひどい話がたくさんあるようです。
乾燥というのも技術ですから、人工乾燥機に入れたから、次の日から木材の乾燥ができるというものじゃないので、その乾燥機を使いこなすまでに、1、2年はかかります。
ところが乾燥機を使いこなすまでいかない業者がいっぱいいて 
結局乾燥材はつくれず、乾燥機はほったらかしで、ラベルだけ乾燥材で出しているところがごろごろ出てくようです。 
中には含水率を計る機器を、メーカーに目盛りを操作させて、30%までしか乾いてないのを20%に出るようにしてくれという業者がいるようです。
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こうした体質の業界で、質の悪いものしか出せないなら、結局使ってもらえないのも無理はない、と思えてきます。
こうして、1980年代の半ば過ぎには、外材の製品の方が国産材の製品より高くなることがちょくちょく出てくるようになります。 
丸太においては、ついに1992年には米ツガが杉より高くなり、製材品では1998年には、米ツガの正角が杉の正角より高くなりました。 
今や名実ともに「外材が安いから国産材が売れない」という理由付けは通用しなくなっています。