現在の新築の約70%は、構造部材(土台・梁・柱など)に集成材を使用しています。
集成材とは、薄く切った板を粘着剤で貼り合わせた木材のことです。
乾燥が不十分な無垢材を使用すると、曲がりや伸縮などの変形が起こってしまいます。
集成材はそれに比べると、変形も起こりにくく、強度も1.2~1.5倍ほど強くなります。
なので、無垢材よりも集成材を使用するハウスメーカーが多いのです。
しかし、
集成材にはデメリットが存在します。
集成材は粘着剤で貼り合わせたもの。
その「粘着剤」がポイントです。
貼り合わせた木が剝がれないように、強力なレゾルシノール系の粘着剤を使用した集成材は
有害物質のホルムアルデヒドを放出します。
ホルムアルデヒドは人体に悪影響を及ぼします。
「シックハウス症候群」という言葉を聞いたことがありませんか?
あれは、住宅の建材から放出されたホルムアルデヒドが原因のひとつとされています。
レゾルシノール系の集成材が大量に使われ始めてから、このシックハウス症候群が問題になり、
「シックハウス法」が制定されるまでになりました。
シックハウス法には、24時間換気の義務化が記載されています。
昔の家に24時間換気の義務がなかったのは、
こういった有害物質を放出する建材を使用していなかったからです。
今でも本物の無垢材を使用した家では24時間換気の必要性はありませんが、
冒頭でもお伝えした通り、新築の約70%が集成材を使用しているため、使う建材を問わず、24時間換気を義務化することになっています。
集成材でも健康被害に配慮したイソシアネート系粘着剤を使用したものもあります。
しかし、そちらは水に弱く、施工状況によっては25年しかもたない可能性のある耐久性に不安がある集成材です。