木材に関しての基礎知識/枝の無い木

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写真を見ると磨き丸太は元から末まで枝がありませんが、枝の無い木とはあるのでしょうか?

元から木の天辺までの枝(節)の無い木は絶対の自然にはありません。

ではなぜ存在するのでしょうか?

磨き丸太や無節柱用のきは小さい頃から枝打ちされています。

成長は遅くなりますが、その過程で(下草狩り・枝打・間伐)を繰り返し、手間暇をかけてゆっくりと成長させます。

こういった丸太は成長が遅く、太くなるまでに年数を要するため、雪の多い地域では雪重にたえられず、
曲がってしまうので、育てる事が難しくなっていきます。


株式会社ユキトシ2015年新潟伐採ツアー

その中でも目通り36㎝程度の特に大きな径木のみを集め、大空間にあっても
見劣りする事のない存在感のある磨き丸太を使っています。

その樹齢は「80年~120年程」の木がほとんどで、簡単に切り出せる木ではありません。

その木を山で伐採し、半年ほどはがらしを行い山から搬出し皮を剥ぎます。


木材に関しての基礎知識

背割れが開くまでに期間を要し、すぐには使えないので1~2年先に使う丸柱を確保しておいて、
現地でしっかり保管しておくことが乾燥材を使うためにはとても重要です。

その後、蔵や調湿倉庫で2~3年程、背割れが開くまで天然乾燥されます。

この間調湿がしっかりできていないと大きく割れる可能性があります。

乾燥ができた磨き丸太は、表面を磨きあげられて出荷されます。

この様に磨き丸太はただの丸柱ではなく「価値のある天然木」だと言えます。

加工場へ到着した磨き丸太は、熟練の大工さんのてによって墨付け行い、加工されます。

未元寸法や形の違う丸太に90度の角度をきっちりと出し、四方から差し込まれる梁を
どの程度差すのかを加工場で大工さんが最終判断し加工しています。

少しでも加工精度が悪ければ建物に支障をきたす所です。

熟練の大工さんが居てこそ、大径の丸太を使うことが可能になります。