希望はひとつ「ゆったり過ごせる明るい部屋」
リフォームに際して丸山さんが出した希望はひとつだけ。「夫婦二人で暮らす家だからたくさんの部屋はいらない。
代わりにゆったり過ごせる明るい部屋がほしい」というものだった。
リフォーム前の家はこの地域らしい和風建築で落ち着いた雰囲気が心地よかったが、日当たりのいい南側に2間続きの座敷など普段使わない部屋があって「もったいない」と感じていた。
今、リビングには大きな窓から明るい陽射しが射し込む。
間仕切りだけでなく天井も取り払った空間は広々としていて、天窓から注ぐ光がまぶしい。リビングに続くキッチンは「時間ができたから台所仕事もしようかなと思って」という丸山さんの希望で、調理台を高めに調節した。
ダイニングテーブルは、敢えて置かなかった。夫婦二人ならカウンターで十分だと考えたからだ。
カウンターというと軽く食事をとる場所という位置づけで、やや高めにつくられることが多い。
けれども、丸山邸では毎日食事をする場所なので一般的なカウンターより低めにつくろうと夢ハウスのスタッフが提案してくれた。
木の切り株をそのまま活かした椅子もカウンターにぴったりの高さで、体の大きなご主人も座りやすい。
そして、リビングの窓からもキッチンの窓からも庭が見えるのも丸山さんをよく知る夢ハウスならではの提案だ。盆栽長い教師生活を支えてきた戦友
庭には、30代の頃に始めた盆栽が並ぶ。きっかけは、元プロ野球選手で"打撃の神様"と呼ばれた川上哲治氏の著書だ。 川上氏が「神経が安まっていないといい勝負はできない」という考えから盆栽の手入れに時間をかける姿に自分も倣おうと考えたのだった。
丸山さんは当時を振り返って「クラブを終えて帰宅して、持ち帰った仕事をかたづけた後、夜中の2時までかけてやっていましたよ(笑)」と話す。
それはもはや、趣味とは呼べないかもしれない。
盆栽は、丸山さんの長い教師生活を支えてきた戦友のようなものなのだ。
リフォーム後の丸山邸では、窓からその戦友たちが空に向かって悠然と枝を伸ばしている姿が一望できる。
教師としての丸山さんをよく知る赤塚会長が、いつも庭を眺めて過ごせるプランを考えてくれたのだ。冬場に鉢を雪から守るための長い庇も、夢ハウスからの提案だ。
単なる趣味にとどまらない、丸山さんにとっての盆栽の意味をしっかりと汲み取ってくれた。