住まいの文化の栞 校倉か?唐櫃か?

こんにちは、今日も寒い日となりました

湿度は、私たちの体にも、住まいにもとても重要です。

正倉院の宝物校倉造りの建築様式の効果を知るために

実際に1日当たりにどれくらいの湿度変化があるかが

測られました。外部では50%あった湿度変化が、校倉造り

正倉院内部の湿度はたったの6%にまで抑えられています

これはまさに、湿度管理の奇跡でしょう。宝物の中でも

特に紙は湿度の変化に過敏で、1000回を超えた湿度変化

セルロース分子が切断されて劣化してしまいます。毎日の

事であれば、紙に描かれた宝物は、3~5年しか持たないこと

になってしまいます。確かに50%の変化は大きいと感じますが

では、6%程度なら大丈夫なのでしょうか。じつはさらに

内部に収められた唐櫃内では湿度はわずか0.8%にまで抑制

されていることも調査されています。この唐櫃は厚さ2cm

の杉材等でできており、その構造である木材の給放湿性能

が、湿度管理において非常に効果的であることが分かります

建物としての性能性と唐櫃に収められていたことが、1200年という

時空を超えて、当時の芸術品の数々を私たちの目に蘇らせてくれています

牧之原市/築70年古民家再生