今月のテーマは「食」です。
食欲の秋と言われるように、秋は栗、さつま芋、きのこなど美味しい味覚を
味わえる季節です。また、「読書の秋」と言われるように
「読書に適しているとされる季節」とあります。
簡単なワンプレートごはんのレシピ本や栄養学の本や、
静岡のカフェのお店や浜松の名店の飲食店などの本が置いてあります。
同じコーナーに「もうじき食べられるぼく」という
絵本が置いてありました。もうじき食べられることを知った子牛(ぼく)が私たちに
最後にメッセージを残していました。お母さんに一目会おうと、うまれた牧場まで
会いに行くことにしました。スリムになって馬のように走りたかった、動物園のゾウや
キリンみたいにみんなに愛されたかった・・・誰にも知らずにたべられるのか、と思いながら
やがて牧場へ着きました。お母さんを見つけた子牛でしたが、
「お母さんを悲しませるために来たのではない」とお母さんには合わずに、お母さんの姿だけ見て
行きました。子牛の想いを想像すると心がジーンとします

絵本の中で子牛が最後に
「ぼくはうしだから もうじきたべられるそうだ せめて ぼくをたべた人が自分のいのちを
たいせつにしてくれたらいいな」というセリフでした。
子牛は自分の命を大切に食べてほしいと願うのではなく、自分を食べた人がその人自身の
命を大切にしてほしいと願っていました。
自分を食べてしまう人に対して恨むのではなく、命を大切に食べてほしいと
説教をするのではなく、自分の幸せよりも誰かの幸せを願えることはすごいと思いました。
喪失体験は、否認、怒り、取引き、抑うつ、受容と5つの感情的段階を経てなりますが、
子牛だけではなく、人の心の過程についても書かれているように感じるので、
読む人の立場によってもとらえ方や視点が変わり、いろいろな視点で絵本を読むこともできます。
たくさんの方に手に取って読んでほしいと思いました。