牧之原市 築90年 古民家再生

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牧之原市/ T 様邸

依頼内容
時代ごとに少しずつ手を入れながら住まわれてきたT様邸。

築90年になる家を壊さず、これからも安心して暮らせる家にしたいと
2年ほど前に水廻りを含めた工事をさせていただきました。→【牧之原市/築90年 古民家再生 施工事例】

 今回は西側半分を再生します。

23坪です。前回は20坪のリフォームでしたから、トータル43坪の平屋古民家再生です。
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90年前の建物なので、構造はもちろん無垢材。素晴らしい梁や柱を使っています。
構造躯体(土台、柱、梁、屋根)のみに解体してから耐震・耐久・断熱・遮熱を高めてつくっていきます。

天井を剥がすと、立派な梁が出てきました。
この梁を生かしたリフォームです。
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昔の壁。竹の下地に藁を混ぜた土壁です。
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「下げ降り」工具で柱の水平、垂直を見ていきます。90年経っている柱は西面と南面に傾いていました。
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昔は地震の力を軽減する考え方の伝統工法。金物固定はしてありません。
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「下げ降り」工具で垂直を見て直しし。3cmほどのズレ。すべて柱調整していきます。
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築90年の床を作り直し、風通しが良い環境にしていきます。現代は、土台を支える鋼製束を回し高さの調整が簡単にできます。木材の乾燥で収縮しても床下に入り高さ調整ができます。
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外回りの基礎は解体・撤去します。ベースコンクリートを施工します。 古民家は外側の基礎にほとんど力はかかりません。内側の基礎と鉄筋を緊結し一体式で支える補強です。内側の基礎の内側にもベースコンクリートを打って補強していきます。
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床下はミラネクストラムダ50mmの高質断熱材を入施工。リフォーム前より風が通るように。断熱材の施工は室内側に隙間のないように施工します。断熱材の上に構造用合板12mm+仕上げに樹齢300年の赤松無垢フローリング30mmを施工することで、床の厚みが42mmとなり頑丈になります。
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天井の下地の間に断熱材を敷き詰めました。床も壁も同じ材料で、同じ施工です。天井裏は風が通ることで内部結露にならないため木材が腐りません。結露の発生はカビ、ダニの繁殖にもつながり、家族の健康を害する様々な影響を与えます。結露の発生を抑える事が健康な生活づくりに繋がります。
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サッシは三協アルミのマディオJ。 枠と障子をアルミと樹脂の複合構造に。外の熱が伝わりにくい構造が断熱効果を発揮し、結露の発生も抑えます。樹脂の熱伝導率はアルミの1000分の1。断熱性能の高いサッシを使用することで、結露の発生を軽減し住まいの耐久性を高める(防露性)ことができます。
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結露が発生すると菌が繁殖し、木材などを腐らせます。これを防ぐことにより住まいの耐久性も高まります。
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遮熱シート「タイベックシルバー」を施工しました。省エネとして断熱対策は気にされる方も多いと思いますが、より快適な室内を作り上げるのが遮熱対策です。外壁に施工してあるタイベックシルバーは透湿効果もあり、アルミシートなので遮熱効果もあります。
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洋間12畳と13畳、子供室2部屋のフローリング15mm赤松無垢材。間仕切りの建具は通常の建具より高く、両方に扉を開けると、とても開放的な25畳のワンルームになります。建具も両サイドの壁の中に納まります。今は子供部屋として、子供たちが巣立ってからは夫婦2人で使えます。
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夢ハウス珪藻土クロスは厚みがあり調湿効果が高いオリジナル商品。天然素材に溶け込み太い梁がより際立ちます。環境に配慮した自然オイルウッドライフを塗装。12畳、13畳の子供部屋は間仕切りを開けると25畳の開放的な大空間となります。風が通り暑い夏でもエアコンは必要ありません。

和室3室+広縁 ➡ 12畳と13畳の子供室 Before - After

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Before
1A
After
2-B
Before
2A
After
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Before
3A
After

12畳と13畳の子供室

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和室3室+広縁を12畳と13畳の子供室に再生しました。築90年なので太い梁を生かして、天井高H3500です。一般の住宅の天井高はH2400ですので、1100mm高くなります。12畳と13畳の間仕切りには万本格子のH2200の建具が入り壁納まりの両開きです。
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こちらが12畳になります。12畳の南面の掃き出しサッシを開けると気持ちいいい風が通ります。
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北面の13畳です。北面の13畳、南面の12畳のサッシを開けると気持ちいいい風が通ります。この暑い夏でもエアコンなしで自然の風で過ごせます。これも天井、壁内部の断熱、遮熱がしっかり造ってあるからです。家づくりは見えなくなる所の造りが重要です。
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左側のクローゼットの前をまっすぐ行くと2年前に造ったLDKに繋がります。40坪のスペースをぐるぐる回れます。 
25畳の気持ちの良い大空間ができました。
床と建具が赤松無垢材です。
赤松は経年変化で飴色に変わっていきます。
天井の梁を雰囲気を損なわないように、天然木と自然素材でまとめました。
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リセット住宅
築30~40年以上前の木造建築の構造材は、築年数の間に乾燥が進み強度が増しています。古いからと解体してしまうのはもったいない良い材料である場合が多いのです。
それら構造を生かし、築年数をリセットして新築同様に仕上げる大型リフォームをリセット住宅と呼んでいます。
土台・柱・梁・屋根だけの状態に解体して骨組みだけにすることで、断熱、遮熱の施工で省エネ性能が上がり、
構造用合板でのパネル補強もきっちりと施工できましたので耐震性も抜群です。
住まいのご相談を随時受け付けております。お気軽にお問い合わせください。



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