牧之原市/築70年 古民家再生

牧之原市/築70年古民家再生
牧之原市/ S様邸

依頼内容

築70年が経ち、老朽化や耐震面など不安になり、新築しようかリフォームしようかずっと悩まれていたS様。
昔ながらの平屋の屋敷は使われている木材もしっかりしていて、
何よりここで過ごした家族との思い出がいっぱい詰まっています。

全て壊して新築するよりも、面影を残して現代の生活に合う住まいへとリフォームして
これからまた何十年と住み継いでいけるようなリセット住宅での古民家再生を行いました。

主なご希望は3つ
①和室は10帖1間だけを残して、普段はゆったりとしたLDKで過ごし、
 来客時にも対応できるようにしたい。

②以前のキッチンは天井が低く暗かったので、明るく開放感のあるキッチンにしたい。

③昔の間取りは建具で仕切られた小さな部屋がたくさんあったが、物置になってしまうので
 必要な部屋数でゆったりとした間取りにしたい。


リフォームのポイント
広い敷地で四季を感じながら過ごせされるご家族の生活スタイルをもっと快適にできるようにプラニングしました。
和室2間からの庭の眺めがとても素敵なこと、薪ストーブを置きたいとのご希望があり
南側の和室・応接間・ダイニングキッチンを建具で仕切って、通し間としても使えるようにしました。
横並びの間取りはエアコン一台、暖房も薪ストーブ一台でまかなえます。

平屋なので屋根が大きく、解体時には天井裏の立派な梁が見えました。
天井高3700mmと一般住宅ではなかなか無い、梁をあらわしにした開放的な3部屋となっています。


図面BeforeAfter
性能面では、
解体時に構造躯体(土台・柱・梁・屋根)だけの状態にしてからすべて作り直す《リセット住宅》でのリフォームなので
新築同様の高性能な住まいに生まれ変わりました。

1.耐久性
既存では僅か数センチの基礎のみで、地面の湿気を受けて土台は腐り、
シロアリは天井まで上がっていた場所もありました。
今回は基礎を作り直し、床を上げ床下の風通しを改善しました。

2.耐震
土壁を全て落とし建物全体の重量を軽くしてから、外周をぐるっと構造用合板で囲いました。
筋交いに比べて2.5倍の壁の強さで揺れに強い構造です。

3.省エネ
屋根…太陽の赤外線を約96%跳ね返すアルミ遮熱シートを施工。これにより夏場でも屋根裏の温度が上がりません。
   冬場は室内の温度を逃がさないので暖房もよく効くようになります。

断熱…壁には、漁業の冷凍庫に使われるほど強力な保温力のある発泡ウレタンを吹きつけます。
   吹き付けるとわずかな隙間も埋めながらふくらみ、高い断熱効果が期待できます。

窓…全て複層ガラスに取替えました。樹脂サッシで結露が起こりにくく、カビの繁殖も抑制します。

3.耐久
通気工法…湿度の高い日本では通気を浴して湿気を流すことが家を保つポイントです。
     壁の中、屋根の裏も空気が流れるように施工しています。
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ご家族の思い出の詰まったお宅をお任せしていただきありがとうございます。
牧之原市/S様邸古民家再生
Before
10帖二間の和室は奥の部屋は和室で残し、手前はフローリングの応接間に生まれ変わります。
牧之原市/S様邸古民家再生
Before
平屋60坪もありますが、昔ながらの間取りで小さい部屋が多いので、使い勝手にお悩みでした。
間取りを整え、一部ロフトの平屋57坪にリフォームします。
牧之原市/S様邸古民家再生
リセット住宅
築30~40年以上前の木造建築の構造材は、築年数の間に乾燥が進み強度が増しています。古いからと解体してしまうのはもったいない良い材料である場合が多いのです。
それら構造を生かし、築年数をリセットして新築同様に仕上げる大型リフォームです。
古民家の土台
解体
建物の南と北で地面の高さにかなり差があるので基礎高を調整して水平を取っていました。北側はわずか数センチの基礎のみでした。
牧之原市/S様邸古民家再生
解体
天井を取ると大きな屋根を支える梁が見えました。70年間でしっかりと乾燥され強度の高まった価値のある無垢材です。
牧之原市/古民家の基礎
基礎
柱を切って、新しく基礎を作ります。
床高も上がって通気も良くなります。
牧之原市/古民家の省エネ施工
屋根の遮熱施工
屋根には太陽光を約96%跳ね返す
アルミ遮熱シートを施工。
牧之原市古民家再生
屋根の下地
既存解体時に70年前に使った杉板がキレイなまま残っていたので、今回も杉板を使いました。
牧之原市古民家再生/瓦葺き替え
耐久性のある瓦
和風建築の落ち着いた雰囲気は瓦ならでは。耐久性にも優れています。
牧之原市古民家再生
丸柱
応接間とLDKは建具で仕切るので、開放したときにアクセントとなるよう丸柱を入れました。
古民家再生/耐震パネル施工
パネル耐震
壁には構造用合板を10cmピッチで打ち付けて強度を高めます。
筋交いに比べて2.5倍の壁の強さです。
古民家再生/吹き付けウレタン断熱
パネルを敷き詰めると、ウレタン断熱の吹き付け作業もやりやすくなります。
古民家再生/発泡ウレタン断熱
硬質発泡ウレタン断熱
外壁は発泡ウレタン断熱を施工しました。冷凍庫に使われるほど高断熱で、湿気を吸わないので断熱効果が下がったり壁の中でカビが生える心配がありません。
古民家再生/壁内通気
壁内通気工法
ウレタンの上に透湿防水シートを貼って、胴縁を縦に貼って押さえます。
これで壁の中の湿気が下から上に流れるので壁内結露を防止して家の耐久性を高めます。
古民家/壁内通気工法
壁内通気工法
透湿防水シートと外壁の間にも通気層を取って、湿気が上へと逃げるようになっています。
湿気は住まいの大敵です!
古民家再生/大引と鋼製束
大引き
床を支える大引き、それを支える束も新しくなりました。
古民家再生/床断熱
頑丈な床づくり
以前よりも大引きや根太の本数を増やし床の強さを改善しました。壁の強さと同じように床の強さも、耐震面で重要ポイントです。
古民家再生/床断熱
床断熱
床は全面に断熱材を敷き詰めることで温度差をなくし、床下の結露予防になります。これからは足元の温かさを実感していただけるはずです。
古民家再生/床の下地
床の下地を貼り終えました
断熱材の上に合板を貼ることで床厚が増して床剛性(床の強さ)が高まります。
12mm(構造用合板)
30mm(無垢フローリング)
合計42mmの床の厚み!
古民家再生/赤松無垢フローリング
《天然無垢の床》赤松30mm厚
寝室と和室以外は全て赤松の床板です。夏はサラッと、冬は暖かく、特に写真の広縁は日が当たって床暖房のようにポカポカになります!
古民家/天井下地づくり
各部屋の施工も進みます
床と共に、壁や天井、収納も作業を進めます。大壁(柱を出さないつくり)なので古い柱は隠れますが、壁の中でしっかり家を支えています。
牧之原市古民家リフォーム
天井断熱施工
天井面も断熱材を敷き詰めます。
屋根のアルミ遮熱シートで太陽光の熱は跳ね返していますが、エアコンの冷暖房を逃がさないために隙間なく断熱材を入れます。
牧之原市古民家リフォーム
天井高3700!
断熱材の上にボードを貼って、天井の下地ができました。
天井高は3700です。薪ストーブの暖気を共有するために、梁の間は空けて仕上げます。
牧之原市古民家リフォーム
梁をあらわしにしました
梁に積もった築70年のホコリや汚れを落として塗装が終わりました。
梁の存在感が印象的な天井になります。
牧之原市/古民家再生の外壁
外壁塗装
外壁の塗装は和風らしさを感じる玉吹きで仕上げました。

牧之原市/古民家リフォーム外観の変化
明るい色になったので、さらに家全体が大きく感じます。
以前よりも壁と屋根のコントラストがはっきりしたので締まって見えます。
牧之原市/古民家の風の流れ
ステンドグラスが入りました
ロフトの横、LDKの吹き抜け部分にはステンドグラスを入れました。
梁とも良く合い、古きよき時代の雰囲気になっています。
オーダーステンドグラス
お施主様がお知り合いの作家さんにオリジナルでオーダーされました。
複層ガラスの内側にはめたので、断熱効果には影響ありません。
牧之原市/古民家を涼しくリフォーム
軒と広縁が続いているように
外から見れば軒の奥行きが広いように、中から見れば広縁が広いように、目が錯覚しそうに杉板を貼りました。
これから内側も塗装して仕上げます。
牧之原市/古民家リフォーム
二重にかかった梁
薪ストーブの暖気を共有するために応接間と和室の壁をどうするか悩みましたが、2重の梁の間を空け、他は壁にすることにしました。
牧之原市古民家リフォーム梁を出した天井のクロス施工
天井高3700にクロス施工
元々天井は高かったのですが、さらに梁を出したので、一般住宅ではなかなか無い開放感があります。
古民家再生/漆喰
漆喰
壁は全て漆喰を塗りました。
昔から塗り壁といえば漆喰ですね!
建材としてずっと使われてきたものは安心して使用できます。

完成

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Before
牧之原市/築70年古民家再生After
After
床の間や仏間は位置こそ同じですが、壁の漆喰の白、柱や梁のこげ茶のコントラストでモダンな雰囲気になっています。


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牧之原市/古民家再生After
After
和室の建具は70年前から使っているものを再設置。
思い出の建具が入ることで家族の歴史が甦ります。


牧之原市/古民家再生After
After
地袋と収納の襖の赤がおしゃれなアクセントになっています。
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After
隣の応接間とは梁の間に通気層を取って、建具を閉めても薪ストーブの暖気を共有できるようにしました。
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After
床の間の壁にも古い建具を設置しました。真っ白な漆喰壁なのでお花も映えます。見学会当日、奥様が生けてくださいました。


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牧之原市/古民家再生After
After
和室二間を使うこともなくなったということで手前の和室はフローリングに。梁や漆喰にも見劣りしないよう、床材は天然赤松30mm厚の一枚板のフローリングを敷きました。


牧之原市/築70年古民家再生
After
応接間とダイニングは一体感のある雰囲気です。
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After
LDkの中心に抜けない柱があったので、印象的な丸柱に替えました。薪ストーブも家の雰囲気にぴったりです。


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After
天井が高いので梁がよく映えます。
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Before
以前のロフトは床面が広くありましたが、そのおかげでキッチンは暗く圧迫感のある空間でした。
牧之原市/古民家再生After
After
ロフトは書斎洋にスペースを狭め、食卓上を吹き抜けにしました。柱や梁、壁は変わっていないようですが、壁は解体して断熱遮熱を施工し、元に戻してあります。


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After
書斎の奥にスペースがあったので、収納力たっぷりの本棚を作りつけました。奥の窓は、壁を作らず天窓からの光が入るようにしました。
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Before
上の写真のロフトの下、以前の食堂です。
天井が低く、圧迫感のある空間です。
生垣との距離も近いため陽射しもあまり入りませんでした。
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After
ロフトの面積を減らし吹き抜けにしました。
吹き抜けに縦に3枚並べた窓が、高い位置から部屋全体を照らします。


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After
食卓から和室まで見通せます。
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After
キッチンはオールステンレスで清潔に使えるクリナップのクリンレディ。
対面キッチンで料理時間も楽しくなりますね。


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After
壁・屋根には遮熱と断熱材、床にも断熱材を隙間なく敷き詰めたのでエアコン一台で十分冷える省エネ住宅です。
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Before
現代の生活には不便も多い昔の間取り。
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After
床の間は収納になり、押入れはカウンターをつけてワークスペースになりました。
天然木の明るい色が心を和ませてくれます。


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Before

牧之原市/古民家再生After
After
南面は掃き出し窓にすることで風通しがとても良くなります。


牧之原市/古民家再生After
After
奥の寝室は桐の床で仕上げました。
脱臭、湿度調整に優れ、赤松よりも優しい踏み心地の桐の床は寝室にぴったりです。


牧之原市/古民家再生After
After
寝室に作ったクローゼットも桐仕上げです。桐は湿気を感じるとタンニンという殺菌物質を放出し、大事な衣類を虫から守ります。
牧之原市/古民家再生After
After
こちらの寝室も桐仕上げ。
構造上抜けない柱も、化粧板で包んでアクセントにしています。
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After
枕の高さにぐるっと桐板を貼りました。アクセントにもなり、壁を守る役目もあります。
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After
こちらのクローゼットも桐仕上げ。
ハンガーレール付の枕棚と、引き出しも桐のものを設置しました。


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After
玄関は、お客様を向かえる家の顔です。
以前よりも広くなり、家の大きさに見合うゆとりある空間となっています。正面のステンドグラスも雰囲気にとても合っています。
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After
玄関収納も桐仕上げです。
収納内部はお好みの段数、間隔でお造りできます。
庭で過ごされることの多いご主人が、サッと上着を掛けられるハンガーレールを付けました。


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Before


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After
広縁は窓が大きく、床が明るくなました。軒天と広縁のみ天井を塗装しました。外には濡れ縁もあって、お茶をしたり、寛ぐ空間になっています。


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After
広縁は和風の雰囲気のロールカーテンにしました。
天井ともよく合っています。
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