木は、ひとつひとつ表情が違うからおもしろい。ー10家族のものがたり

イベントや勉強会に通う中ですっかり木の家の虜になったという

奥様は、内装の木にこだわった。

「モデルハウスで見て、どうしても我が家にも使ってほしかったんです」

というのは、タモ材だ。木目がくっきりと見えるところが気に入って、

トイレと洗面所の床に使ってもらった。表面を❝ちょうな❞で

凹凸に加工したことで、木目のおもしろい表情がいっそう引き出されている。

下駄箱やキッチンのカウンターには、奥様のたっての希望で❝耳付き❞の

一枚板が用いられた。耳付きとは丸太の樹皮に近い部分をそのまま

残した加工で、同じものは決してなく、その木だけの自然な風合いを

楽しめるものだ。
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「人工のものと違って、ひとつひとつ違うのが自然のおもしろいところだと思うんです」

と、すっかり無垢の木の醍醐味に魅せられた奥様は言う。

リビングの薪ストーブも、そんな自然を楽しみたいという気持ちから設置したものだ。

「ゆらめく炎は1日見ていても飽きることがありません。ガスの炎とは全く違います」

丸山邸には、ゆっくりと家づくりを考える中で育まれた自然への関心がひとつひとつ描き

だされている。