奥様は、内装の木にこだわった。
「モデルハウスで見て、どうしても我が家にも使ってほしかったんです」
というのは、タモ材だ。木目がくっきりと見えるところが気に入って、
トイレと洗面所の床に使ってもらった。表面を❝ちょうな❞で
凹凸に加工したことで、木目のおもしろい表情がいっそう引き出されている。
下駄箱やキッチンのカウンターには、奥様のたっての希望で❝耳付き❞の
一枚板が用いられた。耳付きとは丸太の樹皮に近い部分をそのまま
残した加工で、同じものは決してなく、その木だけの自然な風合いを
楽しめるものだ。