日本の伝統色を愉しむー季節の彩りを暮らしにー 秋

日本には数百種類もの色が美しい名称とともに伝えられているようです。
桜色、東雲色、鴇色、新橋色、藍色、裏葉色、藤黄、瓶覗、花浅葱、茜色、
朽葉色、江戸紫、深緋、鳶色、利休鼠、浅縹、鉄紺、香色・・・。

季節の移り変わりを自然から感じ取り、その彩りを日々の暮らしに取り入れる
ー日本には微妙に違う色合いを見分ける感性と色を表現する美しい言葉
があるようです。

-四季がうつろいゆくさまえを、もっとも目と肌で感じやすい季節です。
自然が描きだす色たちの競演によって、世界は美しいキャンパスに。
実りの時を迎えた高揚感と同時に、物悲しさが漂います。


実りの秋-うだるような暑さが去り、過ごしやすいひびが続くようになると
「実りの秋が」到来します。古くからこの「実り」に関しては、さまざまな
ことわざがつたえられてきました。「桃栗三年、柿八年」しかり、
「実るほど頭を垂れる稲穂かな」しかり。努力と忍耐、謙虚な姿勢の
大切さを「秋」は作物を通して教えてくれます。

慌しい暮らしの中でふと立ち止まって周りを見渡してみると、美しい色に彩られた
日本の四季があります。微妙な色あいに気づき、季節を実感することで、普段の
生活が少し楽しくなったり、明るい気持ちになってもらえれば嬉しいです。