朽葉色(くちばいろ)
地面に散った落ち葉の色を平安貴族は「朽葉色」と表現しました。
「落ちる」ではなく「朽ちる」。なんとも叙景的でロマンチックな色名です。
朽葉色の由来
平安時代中期からある伝統色です。「朽葉」とは、
地面に散った落ち葉のこと。四季のうつろいに敏感で
「もののあはれ」を愛した平安貴族たちは、この
朽葉がお気に入りだったようで、「朽葉四十八色」と
呼ばれるほど、多くのバリエーションが生まれました。
「朽葉色」はその本家本元ともいえる、渋い茶色です。
朽葉色の生き物
●ミノムシ
ミノガ科に属するオオミノガの幼虫は、落ち葉
や木の枝でつくったミノをまとって越冬します。
これがいわゆる「ミノムシ」です。このミノムシの
内部でもオスメスも成虫になりますが、ガの姿をして
外に出られるのはオスのみ。メスの羽などは退化しており、
ミノから出ることなく一生を終えます。
メスは特有の匂いを出し、雄を誘います。雄はその匂いを頼りに、
雌の入っている蓑に飛んできて、蓑の末端から腹部を差し込み交尾します。
交尾後、雌はすぐに産卵を始め、数千個も生みつけます。
2~3週間後、幼虫が孵化する頃にはひからびて死んでしまい、
蓑の末端の穴から下に落ちてしまうようです。