世界の良材(杉)黒芯材

スギの芯材部分は、色が黒、赤、中間の個体、まだらなものなど様々で、
それにより存在する水分量に個体差があります。

芯材水分が多いもの(黒芯材)と少ないもの(赤芯材)に分けられこのため
初期含水量に大きく差があり、ばらつきやすいのが杉の特長でもあります。

各地で経験的に言い伝えられていたのは、特に水分の多い谷間で多いと言われ
成長の良い超えた土地でも黒色を呈する例があります。

また自然落枝による枝の巻き込みの際に菌の侵入等によっても黒芯材が加速される可能性が
極めて高いと言われています。

こういった場合は、林全体というよりも、まだら模様であったり、枝巻き込みの部分のみの変化が見られます。

またこういった黒色化した杉の遺伝により、継承される場合もあるようです。

木材に関しての基礎知識

高含水率では、多量の水が何処からか移動してきて貯蓄されます。

また芯材化に伴って液体や気体が移動しにくくなります。

その原因の一つはこれらの移動を抑制する仮道管相互の有緑壁孔が閉鎖されてしまう比率が高くなるからです。

黒杉材は含水率が高い傾向にありますが、強度的には赤杉と変わりません。

黒杉材はカリウムなどの灰分量が多く、弱アルカリ性を示します(通常、赤杉の樹液は、やや酸性を示します。)。

長期の天然乾燥や、高温乾燥により材色はやや薄く改善はされますが、赤芯材に比べやはり多少は黒味が強くなる傾向にあります。

黒杉材の耐久性は高いとされ、昔は地域によっては土台として利用されていました。

人工乾燥が主流の現代では含水量が高く乾燥が難しいので、仕上がりのバラつきを抑える意味でも
予め選別をかけて黒芯材と赤芯材の乾燥スケジュールを分けて行う場合もあります。

丸太(立木)時点での区別がつかないため伐採してみないと解らないのが難点です。