木材の組織

木材には大別して『針葉樹』と『広葉樹』に分けられます。

解りやすい物は文字通り、葉の形が違い
針葉樹で身近なものは、杉、檜、赤松、黒松、唐松、モミ等があります。

針葉樹にも唐松の様な堅い材もあり、広葉樹にも桐のように柔らかい材もあります。

材の硬軟だけでは種別をわけることは出来ません。

材木の歴史は針葉樹の方が古く、約4億年前に出現しました。

その後進化を経て、約2億年前に出現したのが広葉樹と言われ、針葉樹の方が古く、
そのため構造も単純で針葉樹は約95%が仮道管で占められています。

広葉樹はというと、水分通導と樹体を支持する細胞が別々になり、
機能分化という点で合理化が進んでおり、ルーペでみると違いは明らかです。

さらに大きな違いは種子の構造で、針葉樹は裸子植物、広葉樹は被子植物です。
(100%ではありませんが、簡単にまとめると花の咲くもの咲かないものとで分かれます。)

また針葉樹と広葉樹では、用途にも違いがあり、
製材品のひき割類やひき角類は針葉樹で、木造住宅の主要構造部は針葉樹材です。

一部、針葉樹材も使われますが一般的には、家具は広葉樹が圧倒的に多く
床板や框などにも広葉樹が使われています。

カラマツは広葉樹に近く、「落葉針葉樹」で落葉松などと呼ばれます。

また、広葉樹に間違われがちですが、実はイチョウの木も落葉針葉樹です。


木材の各種の細胞は受け持つ機能に対応した形状と細胞壁を有しています。

特に針葉樹木部の仮道管や広葉樹の木繊維はともに強度の支持機能を担っており、
非常に丈夫な細胞壁を構築しています。

細胞壁の主要成分はセルローズ(細胞壁の骨格)・ヘミセルロース(骨格の補助)
・リグニン(隙間を埋めている成分)で構成されています。

この細胞壁成分は全体の95%以上を示しており、抽出成分は全体の5%にしかすぎません。

セルロースを利用した物には、「セロハンテープ」や「保護フィルム」「眼鏡フレーム」
「たばこフィルター」「繊維素材」等、幅広い分野で利用されています。

仮道管の細胞膜には小さな孔が所々にあり隣の仮道管と向き合って
水分や栄養が縦・横に移送できるようになっています。

この孔には弁があり、辺材で生活機能を果たしている間は、開いていますが、
芯材部になると弁が閉じて水分を通さない仕組みになっています。

木材に関しての基礎知識