9月 長月


「月々に  月見る月は多けれど  月見る月は  この月の月」

月を眺める月(「毎月」の月)は多いけれど、満ち欠けを繰り返すこの月というものは、一度見たときのものであって二つと同じ姿はない。
この歌は、中秋の名月(陰暦の八月十五日)に宮中の女官たちに唄われていたもので、歌の作者は不詳です。

昔は芋に箸で穴を開けて月を覗き、この歌を詠まれたそうです。

京都では月の宴のことを芋名月ともいい、芋をお月様にお供えし、その芋を食べたりする風習がありました。

秋の夜に見上げれば、まるいつき。神秘的なひかりは、こころの中も美しく照らしてくれるようです。





竹取物語

「竹取物語」は日本文学の始まりと云われ、およそ延喜年間(901~932)の作ではないかとされています。

竹の中からうまれた輝く美しさの姫の物語は、夢とロマンに満ちかぐや姫は多くの人々の憧れの的でした。

しかし満月の夜、とうとう月へと帰ってしまいました。

竹取翁は、かぐや姫の残した不死の薬の壺を天に近い山で燃やしその山を「ふじ山」と呼んだとあります。

郷愁を感じながら、月の儚げな美しさに静寂がながれていきます。



 

  



 



9月の山野草  秋明菊

花茎を長くのばして 淡紅色や白花を咲かせ凛としてすっとのびた花。

はかなげな美しさの中で移ろいの時を告げてくれます。

菊に似ていることからシュウメイギク(秋明菊、秋冥菊)と呼ばれています。

一度植えると毎年上品な花が開き、京都の貴船山に多く見られたことから、別名「貴船菊」とも呼ばれます。


花言葉  「淡い思い」