木材・コンクリート・鉄を比較してわかる木の断熱性能


 木の家は「夏は涼しく、冬はあたたかい」とよく言われます。
 その理由のひとつが、木材が持つ優れた断熱性です。

 木材は昔から建築に使われてきましたが、
 近年の研究によって、
 その断熱性の高さが科学的にも再評価されています。

 

木材はなぜ断熱性が高いのか?


 ■木の細胞は「中空パイプ」構造
 木材の繊維組織は、ストローのような中空パイプ構造になっています。
 その内部には、身近な物質の中で最も熱を伝えにくい空気が含まれています。

 
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 空気は断熱材としても使われるほど熱を伝えにくいため、
 木材=天然の断熱材
 と言えるほど優れた断熱性を持っています。

木材・コンクリート・鉄の熱伝導率を比較すると?


 熱伝導率(W/m・K)は「熱の伝わりやすさ」を示す数値で、
 小さなほど断熱性が高いことを意味します。


 【 材料 】    【 熱伝導率(W/m・K)】 【 特徴 】  
 木材      0.12-0.20         とても熱を伝えにくい
 コンクリート  1.6            木の約12倍熱を伝える
 鋼材(鉄)     53             木の約450倍熱を伝える
 

 木材は、
 ・コンクリートの約1/12
 ・鉄の約1/450
 しか熱を伝えません。
 だからこそ、木の家は外気温の影響を受けにくく、
 室内が快適に保たれます。

木材の断熱性は「方向」で変わる


 近年の研究で、木材の断熱性は繊維方向によって
 異なることがより明確になりました。

 ・繊維方向( 縦方向 ):熱がやや伝わりやすい
 ・繊維直交方向( 横方向 ):熱が伝わりにくい( 断熱性が高い )

 一般的に紹介される「0.12-0.20W/m・K」は横方向の値で、
 建築で重要視される方向です。

CLT(直交集成材)の復級で断熱性がさらに注目


 2020年代後半から普及が進むCLT(Cross Laminated Timber)は、
 木材を直交方向に貼り合わせたパネルです。

 繊維方向が交互に重なることで、
 熱が伝わりにくい方向が増え、断熱性がさらに向上する
 という研究結果が増えています

 木造中高層建築が増える中で、木材の断熱性は
 ますます重要な性能として扱われています。

木材は「断熱性」だけでなく「蓄熱性」も高い


 2026年の建築分野では、木材のもうひとつの特徴として
 蓄熱性(熱をゆっくり吸収・放出する性質)が
 注目されています

 ・夏:外の熱が室内に伝わりにくい
 ・冬:室内の暖かさが逃げにくい

 木材は断熱と蓄熱の両方を備えているため、
 室内が安定しやすく、快適な住環境をつくります。

含水率が高いと断熱性は下がる


 木材は水分を含むと熱を伝えやすくなります。

 ・乾燥材⇒断熱性が高い
 ・湿った木⇒熱を伝えやすくなる

 そのため、建築では乾燥材(KD材)が使われています。


 木材は、細胞内に空気を多く含む構造のおかげで、
 非常に優れた断熱性を持っています◎
 コンクリートや鉄と比べても圧倒的に熱を伝えにくく、
 住宅の快適性に大きく貢献します。

 木材は「自然の断熱材」であり、これからの建築でも
 ますます重要な素材となっていきます。

 木の家の心地よさは、科学的にも裏付けされた性能によるものなのです。