木材に関しての基礎知識/木材乾燥の必要性

安全性の向上

木材は通常の使用環境では含水率が繊維飽和点(約30%)より低くなります。

含水率が繊維飽和点より低いと「含水率の増加・減少に応じて変形(膨張・収縮)します。」

そのため、あらかじめ人工乾燥を行い、使用環境に適した含水率としておくことが大切で
含水率変化による変形を最小限に抑えることができます。

強度性能の向上

木材は乾燥することにより強度性能も変化します。

乾燥材は強度の面から見ても未乾燥材に比べ有利で安全です。


耐腐朽性能の向上

木材を含水率の高いまま放置すると、カビが生えたり腐ったりします。
これを防ぐために、含水率を20%以下にすることが重要です。

たわみの軽減

木材に一定の力を長時間加えておくと、変形が進みます。
これを『クリープ変形』を小さくすることができます。

重量の軽減

未乾燥材の場合、樹種によっては含水率は100%を超えるような材もあります。
(100%とは重さの半分が木材重量で半分が水の重量)

これは乾燥することにより水分量が減り、木材の取り扱いも楽になると共に
木材の配送コストの大きな削減になります。

未乾燥材の場合、木材の体積ではなく、重量で積み込めない場合が出てきます。

接着性の向上

接着剤の接着性能は未乾燥材より乾燥材の方が大きく乾燥が弱いと、
接着面の機能性低下、接着後の変化が起こります。

ラミナの剥離は外的要因もありますが、こういった含水率も大きく影響します。