木材の異方性

木材を構成する細胞や組織は、その種類ごとに特定の方向に配列されています。
このため、これらの配列違いから、繊維方向、半径方向、接線方向で収縮率や力学的性質が大きく異なってきます。
これらを木材の『異方性』と呼んでいます。

①収縮の異方性

木材は乾燥が進むにつれて収縮・変形をしますがその収縮の割合は木材の方向によって異なります。

木材の半径方向の収縮を1とした場合、繊維方向には1/10しか収縮しないのに対し接線方向には2倍収縮します。
木材の反りや吾亦紅云った性質により起こります。

収縮比率は 接線方向>半径方向>繊維方向
       20  :  10 :  1

木材に関しての基礎知識

②強度の異方性

木材の強度は荷重のかかる方向が、平行か直角かによって強度が大きく変わります。
荷重と繊維方向との角度が0°の時の強度を100とした時その角度が大きくなるほど各強度が低下していきます。
つまり、荷重が繊維方向に並行であるほど強度は強くなります。

収縮比率は 繊維方向>半径方向>接線方向
       20  :  2 :  1

木材に関しての基礎知識