菊川市/築85年の古民家再生

菊川市 K様邸の古民家再生リフォームが完成しました。

このK様邸、建築されていから築85年だそうです。
建てる時には他の場所から解いて建て直したということですので
材料そのものはもっと以前のものを使用している古民家です。

田の字型、8間の広い間取りを、主寝室、祖父・祖母の部屋、子供部屋、LDKへとリフォームします。
古民家の良さを活かしながら、現代の暮らしにあった住まいへ。

菊川市古民家再生折込チラシ

2015.7.20 屋根解体スタート

菊川市古民家再生リフォーム
まずは屋根の解体、瓦の撤去から。
ありがたいことにちょうど梅雨も明け、作業も捗ります!
菊川市古民家再生リフォーム
下地の土や傷んだベニヤを剥がしていきます。
菊川市古民家再生リフォーム
立派な梁です。
屋内も作業を進めます。
菊川市古民家再生リフォーム
古い土壁を解体します。
ここはメインのLDKになる場所です。
この雰囲気がどうなるか、お楽しみに!
菊川市古民家再生リフォーム
壁を取るだけでかなり印象が変わりますね。
本当に広いお屋敷です。
リフォーム後を想像するとワクワクします!

【5日目】屋根の葺き替え

古民家屋根葺き替えルーガ
外観は、まず屋根の葺き替えから始めます。
緑色のシートは雨漏り防止の防水シートです。

古民家屋根葺き替えルーガ
何百枚もある瓦は、機械を使って屋根まで上げます。
事故の無いように安全第一で作業が進みます。
古民家屋根葺き替えルーガ
瓦は厚くて軽く、美しさもある「ROOGA(ルーガ)雅」です。
ルーガの特長は、その軽さ!

★屋根面積30坪を施工した場合の総重量
従来の「陶器平板瓦」(湿式工法)・・・約5160kg
「ROOGA(ルーガ)雅」(乾式工法)・・・約2100kg
一般的な瓦の重さの半分以下です。
地震時の揺れは建物の重さに比例して増大するため、
屋根が重いほど揺れは大きくなります。
耐震のために
・建物の重量を軽くすること
・建物の重心を低くすること
が重要となります。
古民家屋根葺き替えルーガ
表の上部が葺き終わりました。



古民家屋根葺き替えルーガ
北側と下部分を引き続き葺き替えていきます。



古民家屋根遮熱レフミラー
断熱対策「レフミラー96」
屋根の下地と瓦の間に挟むアルミ製の遮熱シートです。

宇宙服にヒントを得た
究極の省エネ、遮熱シート!

アルミ純度99.4%のレフミラー96は、真夏の赤外線をカットするだけでなく、真冬の冷気も遮断します。
この理論は宇宙服の技術をもとに考えられています。
船外活動をする宇宙飛行士の服は14層構造で、そのうちの7層がアルミ蒸着された生地によって構成されています。
宇宙ステーションのまわりでは、太陽光の当たる部分で温度が120度にもなり、反対に光が当たらないところでは-180度まで下がります。その差約300度。
宇宙飛行士がこれだけの熱影響を 受けずに作業できるのも、レフミラーと同じアルミのおかげなのです。
この技術を応用し、夏の熱波も冬の冷気も遮断する住宅用遮熱シート、レフミラー96 は、冷暖房に頼らない省エネ住宅に欠かせないアイテムです!

古民家屋根遮熱レフミラー
この広い屋根全体に施工していきます。



古民家屋根遮熱レフミラー




【7日目】内部解体が進んでいます

菊川市古民家再生床下のシロアリ

菊川市古民家再生床下のシロアリ

菊川市古民家再生床下のシロアリ

【9日目】天窓設置

菊川市古民家再生リフォーム天窓の設置
北側の屋根に天窓を設置します。ちょうどLDKになる部分です。
天窓は普通の窓に比べ、3倍の採光効果があり、同じ面積の
窓でも、3倍の明るさが確保できるといわれています。
菊川市古民家再生リフォーム天窓の設置
田の字型の間取りで暗かった北側に、光が降り注ぎます。
南側の直射日光と違い、北側からの光は散乱光という柔らかく広がる光ですので、明るさもありながら落ち着ける空間を演出します。

【12日目】耐震専門家による現場調査

全国の神社仏閣の耐震を手掛けていらっしゃる「アンデン東京」から専門家に2名お越しいただいて、現場調査をしていただきました。

静岡県掛川市の指定文化財「仰徳学寮」の耐震工事も施工されており、古民家やお寺などの古い木造建築物の耐震のスペシャリストです。
菊川市古民家再生耐震診断

菊川市古民家再生耐震診断
各所の長さや全体のバランスを見て、耐震ダンパーをつける場所を決めていきます。
菊川市古民家再生耐震診断

【21日目】傷んだ部分の補修と土台の補強

古民家再生リフォーム外壁撤去
外壁の撤去がおわりました。
古くなった柱は新しいものに替え、開口部にはこれからサッシがはめ込まれます。
before
古民家再生リフォーム大黒柱シロアリ被害
解体してみて分かったことですが、太い立派な柱もシロアリの被害を受けていました。
朽ちてしまった部分は取り除き、シロアリ対策の適切な処置を施します。
→
after
古民家再生リフォーム大黒柱シロアリ被害
補修後の写真です。
柱の削った部分と同じ太さで継ぎ足し、下の土台は地震時の揺れに対応できるよう、50cm角の大きなコンクリで作りました。
before
古民家再生リフォーム柱シロアリ被害
こちらの柱もシロアリに食われていました。
もし、リフォーム予定もなく、このまま大きな地震が来たら…!
解いてみないと分からない部分ですね。
→
after
古民家再生リフォーム柱シロアリ被害
この部分も朽ちた部分は取り除きしっかりと補修しました。
新しい柱を添え、合せて一本の柱となります。
木造建築の耐震では、揺れないようにガッチリ固める、という方法ではなく
建物全体が少し動く余裕を持たせることで揺れを打ち消し合う、という考え方で進めます。

地震大国である日本。
法隆寺や五重塔などの木造建築物は、今日までの長い間に幾度となく地震に揺られていますが今でもしっかりと建っています。
木造建築に合った対策をすることで、リフォーム後も安心して住み続けられる家となります。
菊川市古民家再生土台補強
柱の下に石が置いてあっただけの土台は、50cm角のコンクリで作り変えました。
土台を大きくすることで、「柱の動き」をカバーできる範囲が広くなります。
通常、基礎は40cm以上となりますが、こちらの建物の基礎は20cm程度でした。このコンクリの土台は厚み40cmで、地面に20cm埋め込まれ、20cmの高さがでている状態です。
菊川市古民家再生土台補強
柱は土台に乗っているだけです。
地震時、建物全体はこの土台の上を揺れに合わせて少し動き、それによって揺れが小さくなります。

【25日目】住み心地を左右する床下と壁の中

菊川市古民家再生束石の基礎
束石
以前ブロックだった束石をセメントで作り直しました。
ここには床を支える鋼製束がおります。
鋼製束とは鋼製の床束で、大引きから垂直に地面におろし、
床の荷重を地盤に伝える役目をします。
菊川市古民家再生床下の防湿シート
防湿シート
地盤からの湿気の発生を防ぎ、床下の乾燥状態を保つためのシート。
床下に敷き込みます。
解体時、シロアリの被害も多く見られましたので、床下の湿気・シロアリ対策は万全にして工事を進めます。

菊川市古民家再生タイベックシート
タイベックシート(透湿・防水・遮熱シート)
細かく絡み合った繊維のすき間から湿気が抜け、水分は通さず、
アルミニウムによる遮熱効果で赤外線の約85%を反射します。
夏は外気の熱を反射し、冬は室内の熱を逃がさないので室内の快適性を高めます。
菊川市古民家再生耐震補強
仕口ダンパー
仕口(しくち)とは、柱と梁の交点で、この部分の強さが軸組工法による木造建築の耐震性能を左右します。
しかし、仕口をあまりに強固に固定しすぎると、逆に柱や梁を傷めることにもなってしまいます。
揺れのエネルギーをいかに吸収するかが大事です。
仕口ダンパーは柱の変形角に追随しながら地震の揺れのエネルギーをしなやかに吸収する機能を持たせた装置であり、
木造の耐震補強・耐震リフォームに貢献します。
菊川市古民家再生耐震補強
補強前
屋根の重さで、建物の上部は大きく左右に揺れます。
その時、仕口部分は揺れに合わせて歪み、その歪みが大きくなり支えきれる範囲を超えると、建物は倒壊します。

補強後
仕口部分に取り付けたダンパーが揺れを吸収するので構造の歪みは小さく済みます。このK様邸は軽量瓦ルーガを使用していますので、以前よりも屋根は揺れにくく、さらにダンパーによって構造自体の揺れも小さくなるように計算しています。
限界耐力計算
仕口ダンパーによる補強前後の耐震性能を定量的に評価し、地震規模と建物特性に応じた損傷度合を推定します。
壁量規定などの建築基準法における仕様規定を満足しない場合でも性能規定型の設計法として用いることができます。
ユーザーの希望する間取りを実現したり、社寺建築や伝統構法の建物に有効な検証法で、仕口ダンパーを用いる場合もっとも合理的な設計法です。

【33日目】床づくりが始まりました

菊川市古民家再床づくり
床の土台である大引きがおかれ、鋼製束が束石におりました。


菊川市古民家再床づくり
大引きの上には根太が引かれます。
菊川市古民家再床づくり

【35日目】床下の配管工事

菊川市古民家再床づくり
床の下地が格子状に組まれました。

菊川市古民家再配管工事
配管工事をして、このあと、ここに断熱材が隙間なくはめ込まれます。
菊川市古民家再床づくり

菊川市古民家再床づくり

【36日目】隙間なく敷き詰めた床の断熱材

菊川市古民家再生断熱材
~省エネのために~
断熱材を隙間なく埋めることで冷暖房効率があがり、電気代節約につながります。
これからの時代は省エネルギー住宅!

~熱資源の有効利用と快適な居住性を実現する断熱材~
カネライトフォーム


≪優れた断熱性能≫
独立気泡の小さな泡の中に気体を閉じ込めてあるので、熱伝導の三要素として知られる
熱の「対流・輻射・伝導」の数値を小さく固定しています。独立気泡が熱をさえぎり、結露を抑制します。

≪吸水・吸湿性がほとんどない≫
繊維系の断熱材は湿気により劣化します。湿気を吸うと硬く縮こまり、水分の重みにより壁の中で下に落ち、
断熱性が著しく低下します。
しかし、カネライトフォームは吸水・吸湿性がほとんどありません。
独立した気泡構造により、断熱の大敵である水が入りにくく、断熱性能の劣化を防いでいます。

≪人と地球に優しい≫
断熱材はその発泡工程として長らくフロンが使われてきましたが、カネライトフォームはフロン及びPRTR法対象物質の発泡剤としての使用を取りやめました。
また、ホルムアルデヒドも含まれておりません。マテリアルリサイクルも可能で、グリーン購入法にも適合しています。
菊川市古民家再生断熱材

菊川市古民家再生断熱材

【59日目】フローリング&梁の塗装

古民家塗装オイルウッドライフココア色

古民家塗装オイルウッドライフココア色
床も壁も断熱材が入り、下地ができました。
隙間なくしっかりと断熱材が入れたので、
今年の冬からは驚くほど暖かく過ごせると思います!

さて、いよいよフローリングを敷きはじめます。
今回のK様邸は、古き良き昔ながらの古民家ですので、
その雰囲気にマッチするよう、
フローリングは無垢材30mm厚の赤松、
カラーは自然系塗料ウッドライフのココア色です。

【左の写真】
柱は、既存のものですので、85年以上前のものです。
手前がココア色のフローリングです。
柱の色に合い、でも決して暗すぎない、いい色味です。
赤松無垢フローリング30mm厚
30mm厚の無垢材フローリング、この厚みが自慢です!
天然木なので調湿効果に優れており、夏はサラッと、冬は暖かく過ごせます。
弊社ショールームも同じものを使用してありますので、実際に裸足になって実感していただけますよ。
赤松無垢フローリング30mm厚
ココア色、木目の美しさが際立ちますね。
一般的なフローリング材は完成したその瞬間が一番美しく、あとは痛む一方ですが、天然木は使うほどに、年月が経つほどに美しくなるのが魅力です。
before
菊川市古民家再生梁の塗装
梁の塗装
新しい梁に替えた部分ばかりの頃、まだそのままのナチュラル色です。
→
after
菊川市古民家再生梁の塗装
新しい梁も既存の色を合わせて塗装しました。
右が新しい、塗装した梁です。
かなり馴染んでいるのではないでしょうか?

【64日目】フローリングが進んでいます

菊川市古民家再生無垢フローリング
LDKはこんな雰囲気になっています。
梁の存在感が本当に素敵ですね!
菊川市古民家再生無垢フローリング
こちらはおじい様・おばあ様の部屋となります。
ナチュラル色のフローリングは明るくなっていいですね。ダーク色よりも広い印象にもなります。

【76日目】クロスを貼りはじめました

菊川市古民家再生リフォーム
クロスが新しくなると、歴史を感じさせる梁の存在感が増しますね。
ナチュラル色のサッシが優しい印象です。
天窓からはやさしい日差しが差し込み、解放感も生まれました。

キッチンの向かいはカウンターになっており、
オシャレな雰囲気です。
キッチン後方にパントリーも作ったので、便利になりました。

完成まで、もう少しです!
菊川市古民家再生リフォーム

菊川市古民家再生リフォーム

菊川市古民家再生リフォーム

菊川市古民家再生リフォーム

【96日目】水廻りリフォームが始まりました

古民家再生住みながらのリフォーム
工事中も、ご家族は暮らしながらのリフォームでしたので
水廻りは最後に工事となります。

思い出がたくさん詰まった古い台所だった場所は、洗面室と浴室に生まれ変わります。
古民家再生住みながらのリフォーム

古民家再生住みながらのリフォーム

古民家再生住みながらのリフォーム

ついに完成です!

夏から続けてきました古民家再生リフォームがついに完成しました。
建物はこちらの場所に建てられて85年、柱や梁は分かっているだけで120年は使われているという素晴らしい古民家です。
その素材の価値や雰囲気を壊さぬよう、天然木をふんだんに使いました。
集成材とは違い、天然木は年月とともに味のでる素材です。
古い柱や梁の様に、これからどんどん色が深くなり、家族の歴史が刻まれていきます。
菊川市古民家再生見学会
建具で仕切られていた田の字型の間取りをリノベーション。
4部屋が大きなLDKに生まれ変わりました。
菊川市古民家再生見学会
さら吹き抜け、天窓もつくり、とても日開放的な家族団らんの場が出来あがりました。
菊川市古民家再生見学会
LDKを中心に、客間、各部屋、水廻りへと使い勝手よく配置してあります。
菊川市古民家再生見学会
梁を隠さずに出せるのは、本物の木を使っているからこそ。

菊川市古民家再生見学会
寝室は天然桐材の床にしました。
調湿作用に優れ、カラッとした空気にしてくれます。
心地よい眠りにつけますね。
菊川市古民家再生見学会
湿気のこもりやすい収納内は、調湿作用に優れた総桐造り。
昔から大切な衣類は桐箪笥に収納してきました。
クローゼット全体を桐でつくることで荷物を丸ごと虫やカビから守れます。
菊川市古民家再生見学会
まだまだ使える味のある建具は、一度解き、きれいに組み直して再利用しました。
菊川市古民家再生見学会
建具に彫られた思い出もしっかり残っています。
菊川市古民家再生見学会
縁側の床も天然無垢のフローリングです。
日差しの熱が保たれ、床暖房のようなあたたかさです。
菊川市古民家再生見学会
床の間の位置を東向きから南向きに変えました。
その際に柱などは一本ずつ外して、再度組み直しました。
菊川市古民家再生見学会
各部屋は全てバリアフリーとしました。

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