日本の伝統色を愉しむー落栗色

落栗色(おちぐりいろ)
落栗色の由来
木になっていたときの「栗色」よりも深く引き締まった茶色で、
熟して地面に落ちイガから顔をのぞかせている栗皮からとられています。
平安時代中期に生まれ、「源氏物語」にも登場しました。ほかにも栗色
には「栗皮色」「栗皮茶」などいくつかのバリエーションが存在します。
どの色も、茶色が流行した江戸時代に愛されていたようです。

落栗色の食べ物
松茸
「香り松茸、味シメジ」と呼ばれるほど、芳醇な香りで
知られる秋の味覚の王様です。樹齢20年から70年ほどの
アカマツの根本にのみ生育します。庶民にはなかなか
手が届かないお値段なのは、人工栽培ができないため。
長野県や兵庫県、京都府がおもな産地となっているようです。

落栗色の飲み物
コーヒー
日本には江戸時代中期、長崎の出島にあったオランダ商館を
通じて伝来しました。それぞれまでお茶文化のなかで
生活してきた日本人には刺激が強かったのでしょう。
「焦げ臭くて飲めたものじゃない」という感想が文献に残って
いるそうです。それから300年あまり、コーヒーは私たちの生活に
すっかり定着しました。日本人の味覚は変わりましたが、
コーヒーの落栗色は今も昔も変わりません。