母体をいたわってくれる春の野草

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4月に入りました。

だいぶ暖かくなってきましたね

散歩していたら道端にタンポポが咲いていて春を感じました

市街地、道端、野山、あぜ道、砂利道―どんな場所でも花を咲かせる力強さをもっています。



タンポポ【蒲公英 母体をいたわってくれる春の野草

効き目:催乳・冷え・利尿・健胃

キク科 採取時期 3月~4月




私たちはタンポポを野菜、そして薬草として活用してきました。

たとえば、平安時代、貴族は春先の貴重なビタミン源とし、江戸時代中期の医学書

『食用簡便』は「血の巡りをよくし、便秘を解消し、熱を下げ、腫れを治す。

洗ったあと、味噌汁の具として煮る」薬草と紹介しています。



タンポポの力を生活に取り入れてきたのは、日本人だけではありません。

ヨーロッパの人々は、サラダやスープなどに使われる一般的な食材として親しみ、

ひんぱんに食べています。


ビタミンA,B2,Cなどをバランスよく含む葉や茎は、

ほかの青物野菜にもひけをとらないほど栄養たっぷりなのです。

また、カリウムが多く、余分な水分や老廃物を尿と一緒に体外へ排出してくれます。

フランス語でのタンポポの呼び名は『おねしょ草』というぐらいですから、

その実力は間違いなく良いです。



ほかにもタンポポには胃腸の調子を調える、炎症を鎮める、といった効能がありますが、

とくに注目したいのが「母乳の出をよくする」力です。

江戸時代、母乳の量に悩む母親たちは、

乾燥させた根を煎じてつくる「タンポポ茶」をこぞって愛飲しました。

タンポポの根は、女性ホルモンのバランスを調える成分を含み、催乳効果にすぐれいるからです。

また、苦み成分であるタラサキサステロールが血液の中の中性脂肪を減らし、

サラサラとした良質の母乳を生み出してくれます。



アメリカでは、乾燥させた根を焙煎し、香ばしさを引き出した「タンポポコーヒ」が誕生し、

カフェインを含まない健康飲料として瞬く間に世界中に広がりました。

今では、良質な母乳をたくさん子どもにあげたいと願う妊娠中、

出産後の母体を支える唯一無二の飲み物として、抜群の知名度と実力を誇っています。





タンポポ茶

催乳効果にすぐれ、昔から女性を助けてきたタンポポは血行を促す力も備えています。

血管を広げる働きをもつ、アセチルコリンという物質の原料となるコリンが豊富に

含まれているからです。また、最新の研究で発見されたタンポポT-1という成分にも

毛細血管の血流を増やす作用が確認され、冷え性の改善に効果があると期待されています。

薬効の詰まった根と葉を煎じる「タンポポ茶」は、やや苦みのある味わい。

ハチミやレモンを加えて飲んでもいいでしょう。




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タンポポ茶 つくり方

3月~4月頃、花が咲く前のタンポポの根と葉を採取し、

水洗いした後に3日ほど陰干しにする。


カラカラになったを細かく刻む。


③ ②(5g)を鍋に入れ、水(180ml)で10分煎じ、濾して完成。

冷めないうちに飲む。