8月 葉月


遠花火

花火は中国で発明され「狼煙(のろし)」として使われた黒色火薬が祖先だそうです。

鑑賞用の花火は、14世紀後半イタリアのフィレンツェで始まり、その後ヨーロッパ中に広がり 大航海時代と共に世界中に伝わりました。

日本への火薬の伝来は1543年(天文12)の種子島でした。

1613年(慶長18)イギリス国王の使者ジョンセリスが、駿府城の徳川家康を尋ねたとき持参の花火を見せたという記録が残っています。

さらに最近になり、その数十年前に伊達政宗公が見たという古文書も見つかりました。

当時の花火は筒から火の粉が吹き出すもので、現在のような打ち揚げ花火の登場は19世紀になってからできたものだそうです。

夏の風物詩花火。 パッと夜空に一瞬の花を咲かせてくれます。
はかなげな美しさと 夏の香りと 郷愁の思いを馳せながら 贅沢なひとときが涼風とともにながれていきます。





8月の山野草  朝顔

古い時代に中国から渡来した薬用植物で、種は「牽牛子」(けんごし)と呼ばれました。

和名「朝顔」は、朝は美しく昼にはしぼむ姿を朝美人に例えた「朝の容花」(かおばな)に由来するといわれています。

「容」は古語で「ひときわ美しい」意味があり、「容花」では「ひときわ 美しい花」となります。

露をしっとりと身にまといキラキラといっそう輝きをましていく朝顔。
爽やかな一日の始まりを明るい笑顔で迎えてくれます。

花言葉 「あふれる喜び」「明日も爽やに」







桐一葉
おおきな桐の葉が一枚落ちるのを見て、秋の到来を感じること。
桐の葉は、夏から秋にかけてほかの期より早く落葉します。
団扇ほどもある大きなその葉が枯れ乾燥し桐の枝を離れて、風がない夜もカサカサと乾いた音を立て地に落ちていきます。

中国の古典『淮南子(えなんじ)』 一葉落ちて天下の秋を知る これから出た季語だそうです。
夏の季節を通じ空を隠していた桐の葉が落ちるのを見て 秋の訪れを知る意味だそうです。
転じて、勢い盛んに栄えたものが、凋落して行く様子の例えとして使われることもあります。

「桐一葉知天下秋」 桐一葉落ちて天下の秋を知る
豊臣家滅亡の大事を予見した、片桐且元の言葉とされ、一事を見て大局を知ることをあらわしています。
ただ一枚の葉に大自然の真理が凝縮されている意味や衰えの兆し、わずかな前兆から将来の大勢を予知することのたとえとしても使われています。