3月の禅語

 



 
「桃花笑春風」(とうかしゅんぷうをえむ)中唐・崔護(さいご)

題都城南荘(都城の南荘に題す)

去年今日此門中 人面桃花相映紅 人面不知何処去 桃花依旧笑春風

去年の今日 この門のなかで見た 美しい娘の顔は満開の桃花に映じて紅に染まっていた 

いま あの娘は何処に行ってしまったのだろう 桃花は旧に変わらず美しく咲いて春風にそよいでいる

春風に揺られて美しく咲いている桃の花が、微笑んでいるような春の喜びをうたい、

人の姿は変わっても、花の姿はかわることなく、桜の花も桃の花も春風が吹くたびに同じ姿、同じ香りで咲きほころびます。

やわらかな春の風が吹く頃、桃の花が開き、花の香りとともに春の訪れも知らせてくれるようなことばです。