12月 師走




「歳寒の三友」

厳寒にもその緑を失わない松 しなやかに伸びる竹 そして百花にさきがけて花咲き薫る梅 
松・竹・梅は「歳寒の三友」と呼ばれ古代から「めでたきもの」のしるしとされてきたそうです。

歳寒三友(さいかんのさんゆう)は、宋代より始まった中国の文人画で、好まれる画題のひとつ松・竹・梅の三つをさします。

三つ一緒に描かれることも多いですが、単体でも好んで描かれ日本では「松竹梅(しょうちくばい)」と呼ばれます。




「大晦日」

大晦日の「みそか」は、本来「三十日(みそか)」と書き、「月の30番目の日」と言う意味だそうです。

これが転じて晦日は31日など、実際の日付に関係なく「月の最終日」を意味するようになりました。

晦(つごもり)」は、「ツキゴモリ(月隠)」からきた言葉で「三十日(みそか)」に晦日の字が当てられるようになったのは、
陰暦では15日が満月で月はその後欠けてゆき最後には月が隠れることに由来しているようです。

毎月の末日を「晦日(みそか・つごもり)」と言い、1年の末日を「大晦日(おおみそか・おおつごもり)」と言うようになりました。













「除夜」

大晦日は「旧年」を除き去るという意味から「除日(じょじつ)」「除夜」と言われるようになったそうです。

「旧年」を除くこの夜は、産土神(うぶすながみ:生まれた土地を領有・守護する神)を祀る神社に詣でて、
ここで新しい年神様を迎えるために籠り、一晩中起きているということが本来でしたが、徐々に簡略化されました。

除夜の夜に神社に詣でる元日の未明に神社に参拝する事は、夜通し神社に籠った行事の名残だそうです。


「除夜の鐘」

除夜に撞く鐘を「除夜の鐘」と言い、その鐘は108の煩悩を除くという意味が込められていると言われています。 

108回の謂れ「除夜の鐘」が108回撞かれる説は諸説あります。

眼(げん)、耳(に)、舌(ぜつ)、身(しん)、意(い)の六根のそれぞれに、好(こう: 気持ちがいい)、
悪(あく:気持ちが悪い)、平(へい:どうでもよい)18類。
浄(じょう)、染(せん:きあない)の2類があって36類。
前世、今世、来世の三世に配当して108類となり、人間の煩悩の数を表すという説。

月の数の12、二十四節気の数の24、七十二候の数の72を足した数が108となり、1年間を表すという説。

四苦八苦を取り払うということで、4×9(四苦)+8×9(八苦)=108をかけたと 言う説など。

年は暮れ行き、ほのぼのと東の空が明け初める頃、こころ静かに耳を傾けながら、
あらたな年を祈ります。どうぞ良いお年をお迎えください。