11月 霜月

  
  
開門落葉多

 『禅林句集』五言対句に「聽雨寒更盡、開門落葉多」 (雨を聴いて寒更尽き、門を開けば落葉多し)

深夜半、屋根打つ雨音が次第に強くなり冷えこみが一段と激しくなった翌朝、
門を開くと見渡す限りに敷きつめられた沢山の落ち葉が辺り一面を埋め尽くし、一晩中聴いていた雨音は、
朝になってみればじつは軒端をたたく落ち葉の音だったという幽寂な閑居の風情を表しています。

冴えわたる空気の中、朝露を浴びながら、秋の気配は刻々と深まりを増していきます。
見渡せば、溜息が出る程清々とした美しさに大自然の華やかさと厳しさが喧噪をかきけします。
澄渡るた風に乗り、錦に彩られた葉はくるくると表情を変えて、踊るように何処までも舞っていきます。

 



11月の山野草  紫式部

和名は気品ある実を平安時代の源氏物語「紫式部」に例えたとされます。

『ムラサキシキミ「紫重実、紫敷き実(シキミは重る実の意)」』
と呼ばれていたのがムラサキシキブになったとの説もあります。
別名「ミムラサキ(実紫)」「コシキブ(小式部)」とも呼ばれています。

艶やかな紫の実をたわわにつけ、やわらかな日差しに包まれながら、秋の訪れを告げてくれます。


花言葉      「聡明」  

 


 




一陽来復

冬至のことを一陽来復(いちようらいふく)とも言います。

「一陽来復」は中国の「易経」に出てくる言葉です。

 中国の昔の暦では10月はすべて陰の気で覆われ 11月になると陽の気が復活し 冬至を境に長くなっていくとされています。

 衰えていた太陽の力が再び勢いを増し 新年が来るという意味の他に、
 悪いことが続いた後に幸運に向かうという 意味も込められています。

冬至が来たら「これからは良いことが、やって来る」 と気持ちを切り替えるきっかけを与えてくれる日でもあります。