10月 神無月

  

 
 


     

名残りの月

「見渡せば 花も紅葉もなかりけり 浦の苫屋の 秋の夕暮」 藤原定家

10月は 「名残りの月」 と言われ、侘び 寂び の心を表します。

平安の昔から 秋は もののあわれ を美しく表現し、その趣を どのように歌に詠むかを 大切なこととされていたそうです。

1年のうち 10月だけに使われる 「やつれ風炉」、黒く焼いた 藁灰をつかい侘びのこころを 表しています。

朝夕の 冴えた空気の中 木々もいつのまにか 色を染めはじめていきます。






木守り

昔は柿の実を全て収穫せず、数個残しておくのが 慣わしでした。

取り残した柿は「木守り柿」(きまもり)と呼び、収穫に感謝することや寒い冬にむけて小鳥たちへの恵み、
昔はお腹を空かせた旅人へ思いやりをこめて、とりのこしていたそうです。

小さな実ひとつひとつにも見えない大切なこころ人々の優しさや願いがこめられています。




 

穂波

大海の波にもたとえられています。

秋の田んぼ一面に実った黄金色の稲穂が、風になびいている様子をあらわしています。
たわわに実った稲穂に、金風がふきぬけていきます。