現場ブログ

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御前崎市門屋 築90年古民家再生 減築46坪⇒31坪へ「二人暮らし」高性能リノベーション(解体工事)が始まりました。90年前に建ててから何度か水廻りや6畳洋間を増築をしている建増築をしている建物で、1Fだけで46坪あります。広さはありますがその都度、増築をしてきた為、建物が凸凹していて屋敷廻りの風通しも良くありません。増築した部分の屋根の取り合いも良くないので雨漏りの原因となっています。ひどい所は天井が穴が空いていて瓦が見える状態になっています。2人暮らしなので周りの凸凹部分を全て撤去して、「減築」31坪にして高性能な住まいに造り変えます。
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古民家の特徴で通しの和室間と合わせ田の字で和室4室になっています。広縁と和室の取り合いにある柱の太さは5寸近くあります。屋根裏まで長く伸びている本物の無垢材の通し柱です。今の新築の多くは3.5寸の太さが通常です。さらに集成柱です。集成材はラミナと言う細い小さい木を強力なノリ(レゾルシノール)で貼り付け柱の太さに切り落として製品とします。ノリで貼り付けた新建材なので貼った時が一番耐久性がありそれから少しずつ劣化が始まります。ノリの耐久性は25年位と言われていますが・・・。リフォームの問い合わせで良くあるのが、築30年位経って床がブカブカするので一度見て欲しいと言う問い合わせがありますが、フローリングがべニアにシートが貼ってあるフローリングだと貼り合わせたノリの劣化でその現象になります。  それに比べて無垢材は樹齢150年の木材であれば通気性の良い環境であれば150持ちます。本物と偽物の違いはそこにあります。さらに有害物質(ホルムアルデヒド)なども放出しません。24時間換気も必要ありません。
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写真の右側にあるのが8寸の太さの大黒柱です。(≒24cm角柱)で左奥に見えるのが6寸角の大黒柱です。(≒18cm角柱)に刺し鴨井で繋いであります。め「夫婦大黒柱」です。そこに嵌っている建具を「素戸」と言います。古民家にはよく使ってある建具になります。建物全体の重量がここに集まっているのは梁(差し鴨井)が下がって建具が取れないのでジャッキアップして素戸を撤去し、再利用していきます。リノベーションの良い所は家族の思い出や現代では作っていない商品をアクセントデザインとして再利用できるところが面白い!
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北側の水廻り増築部分の解体です。たぶん20年ほど前に水廻りを増築したんでしょう?母屋との増築部分の屋根の取り合いが良くなく雨漏りの原因になっています。それともう一つ西側の6畳増築部分の屋根の取り合い、納め方が良くないので雨漏りの原因になっています。今回の高性能天然木リノベーションでその部分を全て解体、撤去して、雨漏りの無い屋根に造り変えていきます。
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断熱工事が終わると内装下地工事となります。リフォーム前はいろいろな配線が柱、梁にステップルで止めてあったので配線が室内の美観をおとしていたので全て壁内に収まるよう天井高をH2400取ることで太い柱を出して、古民家らしさを残すことができます。  写真は以前は廊下でした。昔の家の造りは廊下部分が多く、廊下を造ることで風通しや採光が取れなくなり暗いスペースとなっていることが良くあります。間取り変更で重要なことはいかに廊下スペースを無くし、風通し、採光を良くするかにあります。究極はアパートの間取りです。いかに狭いスペースで快適な暮らしができるかです。今回、廊下部分と食堂を合わせて、食堂10.12畳+廊下=LDK19.5畳の広さとなります。
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19.5畳のLDKは対面キッチンとしました。家電収納壁からD2300出たところにキッチンの壁を設けます。キッチンが設置されると家電収納とのスペースが1000ほどになりますのでキッチンの使い勝手の動線はスムーズです。キッチンもウッドワンで扉が赤松、家電収納扉も赤松、フローリングも赤松、窓枠、笠木も赤松材で仕上げるのでトーイツ感が出ます。キッチン壁にも腰の高さまで赤松のウェーブ材を施工します。家具である食卓テーブルも赤松テーブルにして頂きました。  赤松材は他の無垢材と比べて木肌も奇麗、優しさ、温もり、柔らかさを感じる木材ですが耐久性もあり、とても人の暮らしにマッチする商品です。
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写真は赤松フローリング15mm厚です。床下に根太60*45の根太を敷いてその間に湿気や水に強いミラネクストΛ50mm厚を嵌め込みその上に構造用合板12を施工し、その上にフローリングを施工していきます。無垢材と言ってもウレタン塗装してあるフローリングが多く出回っていますが、塗装してしまうとフローリングが息ができなくなります。塗装で塗膜ができてしまいますので、素足で乗ると木のぬくもりでなく塗装の冷たさを感じ、幾ら無垢フローリングと言っても、石油工業品と同じことになってしまいます。ですので当社では、無塗装のフローリングにオイル(ウッドライフ)を塗ります。こうすることで木の温もりや香りを楽しむこともできます。もちろん汚れも付きにくくなります。  無垢材は乾燥が命です!木材に含まれる水分量を含水率と言います。通常、室内平衡含水率は6%~7%とされています。当社では室内に使用する無垢材は含水率5%まで乾燥ガマで130℃で三日間乾燥させた仕上げ材を使用しています。窯から出して、1~2%は戻りますので、ちょうど室内平衡含水率と同じになるので、ストーブ、エアコンをガンガン使用しても変形はほとんどありません。他社のフローリングはこの乾燥ができないので、外気と触れないように塗装でくるんでしまうのです。息ができないので変形も起こりませんが、無垢材であっても冬場フローリングに乗ると冷たく感じます。人間が作る新建材は自然界の造るものとは何処か違ってきます。
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床、天井、壁の断熱材50mm、ミラネクストΛです。押出法ポリスチレンフォームでNO.1の断熱性能、熱伝導率0.022W/m・K以下の限界を超えた断熱材です。さらに発砲プラスチック断熱材でNO.1の防水性能、吸水量0.01g/100cm2以下で、ウレタンホームやフェノールフォームと比較して吸水量が小さいので、吸水による断熱性能の低下は心配ありません。
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大引の上に60mm×45mmの根太を敷いてその間に断熱材50mmを嵌め込んでいきます。床下は風が通って通気を良くしていくことが木造建築の場合はとても重要なことになります。反対にフローリングと断熱材はピッタリ付いていることが断熱効果を高めます。グラスウール断熱材のように施工したときはピッタリくっ付いていても湿気や水分で収縮してもとに戻らないと空気層ができて断熱効果は無くなります。
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断熱材を嵌め込んで構造用合板を施工してその上にフローリングを施工していきます。フローリングを施工する前に天井下地を先に作ります。
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菊川市嶺田 古民家再生「築170年」 天然木リノベーション 解体工事終盤となりました。外壁側のサッシ・壁を解体をしている様子です。40年ほど前にスケルトン解体して、耐震補強工事を行ったとお父様が話してくれました。約1年掛けて耐震補強工事をされたようです。写真のように柱と柱の間に鉄骨の枠を嵌め込んで、大きい物から、小さい物まで数えると47か所ほど入れてあるようです。その時に床下にコンクリート打ちもしてありました。束石の上に土台を敷いてその上に柱を建ててあります。この方が地震が来た時の揺れに対して一体感が生まれ地震の揺れを吸収する役目が大きくなります。
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古民家は一般住宅在来工法(固める)と違って地震の揺れを吸収して倒壊を防ぐ伝統工法です(制振)。古民家は太い梁なので一つの空間が大きく取れますのでリフォームでも間取りの変更が自由に取れると言う所が良い点の一つですが、ここまで鉄骨で補強してあるとそうはいきません。一度、耐震リフォーム済みなので、床下は170年前の状況ではありませんが、LDKに入っている太い梁は弓のようにアーチ型と言っても良い程、奇麗に曲がっています。築90年~100年ぐらいの古民家ではこの太さの梁はありません。
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「とにかく寒いのを解消したい!」ことが、お客様の第一希望です。外壁面には全てミラネクストΛ断熱材40を施工してから、最初にシステムバスを仕上げます。脇屋で仮住まいをされていますので先にお風呂に入れるように工事していきます。解体から1週間で完成させます。新しいエコキュートも一緒に施工していきます。写真正面の鉄骨の耐震補強枠の向こう側がシステムバスとなります。